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2019年中学入試の新フレーム(143) 静岡聖光学院 ソフトパワー全開(3)

★体験授業では、数学的思考力のPBL授業も実施された。ファシリテーターは同校数学科主任の植田先生。「曲がった世界について考えよう」というまさに数学的思考を引き出すテーマ。
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★平面に三角形をかく日常の世界と風船のような曲面に三角形をかく非日常的な世界を対比しながら、目の前の現象から視線をずらすとどうなるかという数学の知の旅へと誘った。
★気づきはコンペア・コントラストという思考スキルによって生まれる。そして気づきを共有するや、生徒たちは数学的世界に好奇心をふくらまし、のめり込む。
★「三角形の内閣の和は180度」だと思っていたが、もっと違う世界が風船の曲面に現れたのだ。
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★非ユークリッド幾何学の世界では、二角形が存在するなんておもしろいじゃないかと。実際に風船に二角形をどう描くのか必死に考え試行錯誤しながら向き合っていた。フロー状態という学びの中で最も重要な「没頭」という永遠の瞬間を共有した。
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★描くことに成功した生徒が、プレゼンをしたときの表情が、男の子特有の充実感が満ちていたことは想像に難くないだろう。
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★ファシリテーションは、平面から風船という曲面、風船から地球、地球から宇宙へと次元を設定していったから、生徒は自然と想像の翼を広げることになった。最後は宇宙の形はどうなるのか?と。もう生徒の思考脳がどれほど活性化されていたことか想像する方がワクワクしてくるだろう。
★正解はないけれど、いやだからこそ、それぞれの形を選んだ理由をプレゼンする生徒たちはすでに数学的世界の一員になっていたのである。植田先生は、天文学者と数学者では考え方が違うというコトを紹介して、学者だっていろいろ考え方が違うという世界を生徒と共有した。   
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★最後に授業を体験して気づいたことを書く振り返りシートが渡されたが、みな一斉に真剣に取り組んだ。書くべきコトが内面にコンコンと湧いている。その湧き水の音が、鉛筆の先からこぼれるように教室に響き渡ったのである。

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