« 2019年中学入試の新フレーム(157) 東洋大学京北 哲学的思考力×数学的思考力 | トップページ | 【C軸思考】日本Microsoft 6つの能力=Future-ready skills発表 思考スキルとの違い(1) »

2019年中学入試の新フレーム(158) 日比谷高校の学校経営計画を学校選択の標準にするのもおもしろい

★都立高校や公立中高一貫校は、学校計画や振り返りシートをサイトで公開している。日比谷高校もその例外ではない。「平成30年度 東京都立日比谷高等学校 学校経営計画」が公開されている。
10
★私立中高一貫校を選択される保護者も、一度はご覧になってもわるくない。理念や方針がどのように実現されるのか、プランが可視化されているし、どのくらいうまくいっているかPDCAも行われていることがわかる。
★そして、授業の方法、テストの質、グローバル教育、サイエンス教育、数学教育、進学指導組織の在り方などの観点が明快に表現されているから、それらの観点を基準に私立中高一貫校を比較対照して診ていけば、すてきな学校を発掘する大きなヒントになる。
★たとえ、今偏差値がそれほど高くなくても、日比谷の学校経営計画以上の教育を行っている学校があれば、そこは6年後選んで本当によかったと思う可能性大である。
★たとえば、グローバル教育の進捗状況として、こう書かれている。
〇海外派遣「米国西海岸・ハワイ島研修」などのSSH事業を円滑に実施し、「技術革新に貢献できる知的プロフェッショナル 人材の育成」を目指す。
〇海外派遣「ボストン・ニューヨーク研修」などの東京都教育委員会からのG10(東京グローバル10)事業を円滑に実施し、 「人類に貢献できるグローバル・リーダーの育成」を目指す。 〇姉妹校交流(ニュージーランドColumba College及び韓国Michuhol外国語高等学校)を継続し、広い視野をもった生徒の育 成を図る。
★グローバル10プランは、更新され3年後まで予算が出ることになっているが、これははっきりと海外大学進学指導が目的である。もはや東大だけではないということなのである。
★東京都教育委員会は、日比谷を進学指導重点校に認定していて、難関国立大学等(東京大学、一橋大学、東京工業大学、京都大学、国公立大学医学部医学科)現役合格者数 15人がノルマになっている。
★このようなやり方がよいのかどうか疑問を持たれる方もいるかもしれないが、こういうわかりやすい目標を立てて学校経営することも私立学校であってもわるくない。
★どうしてかというと、このような目標を達成するために以下のような授業をすると明言している。
〇質の高い授業を創造することで、自ら学ぶ生徒を育て、学問の本質を探究できる姿勢を培う。
 ア 生徒に考えさせる授業、考えたことを表現させる授業、他の考えに触れ、さらに思考を深める授業を展開する。(「知のネッ トワーク」場面の創造)
 イ そのなかで、集団で学ぶことの喜びや意義を見出し、主体的な学びへとつなげることのできる生徒を育てる。
 ウ 特に理数教科においては、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)三期目の指定を受け、創造力をはぐくむ授業づくりに 努める。
〇これまでに確立した教科マネジメントをさらに継承・発展させ、組織的に生徒の学力向上を図る。
 ア 個々の教員の優れた取組を教科として共有し、3年間を見通した教科指導の在り方を一層発展させる。
 イ 日常的な生徒の取組状況、定期考査・実力テスト・外部模試等の分析結果や生徒による授業評価結果から教科として必 要な取組観点を明らかにし、授業、日常の補習、土曜講習、長期休業日中の講習等を教科として発展させる。
 ウ その結果として、組織的に生徒の学力向上を成し遂げる。
〇平成32年度から実施される大学入学共通テスト及び次期学習指導要領に対応した教育課程を編成する。
 ア 広い教養の土台の上に、大学での専門分野において大きく伸びることができるよう、さまざまな教科・科目を履修する教育 課程を編成・実施する。
 イ 全教育活動を通して、オリンピック・パラリンピックに関する教育を適切に実施する。    
 ウ SSH指定校として、理科と数学とが融合した探究活動を重視した学校設定科目「理数探探究Ⅰ・Ⅱ」を研究・開発・実施 する。
〇「主体的・対話的で深い学び」の実現へ向け、集団での学び・個での学びとの適切なバランスを保ち、求められる思考力・判 断力・表現力を育成する。
★このような授業もやって、大学合格実績の目標を達成している日比谷高校と、そんな功利主義的な目標はたてないと言い、その一方で、授業の質を高めることもしていない学校と比べてどうだろうか。はっきりいって、後者は選ぶに値しないと思う。
★日比谷は、定期テストと外部模試を実施しているだけではなく、実力テストも実施している。私立学校で、実力テストを実施していないところも多いが、要は実力テスト(=大学入試問題レベルの問題)を作問できる教師が育っていないというのが本当のところだろう。
★実力テストができるかどうかは、中学入試問題を見ればすぐにわかる。私立学校であれば、どこでもよいという時代は昔の話である。ちなみに日比谷高校の教育は、当局は何も語っていないが、21世紀型教育の実践を遂行しているのである。開成が舵を切り始めたのも、そのような時代を読んでのことであろう。

|

« 2019年中学入試の新フレーム(157) 東洋大学京北 哲学的思考力×数学的思考力 | トップページ | 【C軸思考】日本Microsoft 6つの能力=Future-ready skills発表 思考スキルとの違い(1) »

中学入試市場」カテゴリの記事