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【C軸思考】 中学入試&大学入試における「思考力」の意味 21世紀型教育機構の影響力

★学習指導要領において、「思考力・判断力・表現力」と言ったとき、「思考力」は学力要素の1つとして位置づけられる。一方で、Z会が東大推薦入試を「思考力型入試」というとき、あるいは、早稲田大学が今春から始めた「新思考入試」というとき、このときの「思考力」は、学力という認知的能力のみならず非認知的能力などもカバーするもっと包括的な意味で使われる。
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(21世紀型教育機構加盟校が集まって、互いの「学び」に対する考え方や方法についてディスカッションワークショップを行っているシーン。各学校からファシリテータ役の教師も。)
★たとえば、2019年度早稲田大学の新思考入試の課題レポートでは次のような課題がすでに設定されている。
2019年度早稲田大学新思考入学試験(地域連携型)
① どのようなことをその地域の課題と考えているか
② 志願者自身がその課題があることを意識したのはなぜか
③ その課題に関連して今までどのような活動を行ってきたのか
④ 当学のどの学部に入学し、何を学習したいと考えているか
⑤ 卒業後にどのように地域へ貢献することを考えているのか
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(21世紀型教育機構「プレ『グローバル教育カウンシル』」で、思考力とは何かについてディスカッションワークショップを行っているシーン。)
★明らかにいわゆる学力以上の能力を評価するのが早稲田大学の新思考入試であることがわかる。
★また、Z会が思考力型入試と呼んでいる東大推薦入試の医学部医学科でも、次のような条件が付与されている。
① 高い基礎学力とバランスのとれた人格を持つこと。
② 生命科学・医学研究への意欲と能力を持つこと。
③ 医学部進学後に研究者養成のための特別カリキュラム への参加を望むこと。
④ 自然科学の領域においてきわめて高い能力を持つこ と,あるいは非常に優れた語学力(英語力)とそれに伴 う豊富な国際経験を持つこと。
★そのうえで、課題として、次の問いが投げられている。
2018年度東京大学推薦入試
東京大学医学部医学科を志望する理由,高等学校等在学中の自己の活動の成果,卒業後の自己の将来像等についておよそ1,300字以内で入力してください。英語での入力も可です。(英語の場合は500 wordsまで。)
★シンプルに言えば、「自分とは何者か?」を考えることが求められている。
★私たちが「思考力」と呼ぶとき、多義的であることは知りつつも、学力要素としての思考力の意味で使っているか、人間力全体を把握する思考力という意味で使っているのか、見極めながら対話しないと、互いにすれ違ってしまう。
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(これも、21世紀型教育機構「プレ『グローバル教育カウンシル』」で、思考力とは何かについてディスカッションワークショップを行っているシーン。)
★ただ、中学入試において確認をしておきたいのは、科目で出される思考力は、ほとんどの場合、学力としての思考力であり、思考力入試や自己アピール入試などは、人間力全体を把握する意味での思考力である。
★したがって、入試において、思考力革命が起きていることは確かなのである。この思考力入試は、中学入試において21世紀型教育機構メンバー校が10年以上前に開発したものである。
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(同カウンシルで、先生方が学びについて語り合うワークショップのシーン)
★公立中高一貫校の適性検査は、学力以上人間力全体未満の能力を評価する問題であるが、私立学校の入試は、やはり全人教育を行っているわけだから、人間力全体を把握する力を評価したいという私学の系譜の精神から生まれたものである。
★日本の教育の中で、戦後教育基本法の形成に尽力したメンバーに私学人も多かったというコトで、今でも私立中学は、相対的に自由な知の空間である。この知の空間の歴史的意義を保守しつつ、未来を拓くために、人間力全体を把握するという意味での思考力を育てていくのが私立学校の3ポリシーの通奏低音である。
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(同カウンシルでは21世紀型教育機構加盟校の生徒も参加。生徒部会のディスカッションワークショップは英語で行われた。)
★このことは、2019年中学入試において劇的に増える算数一科目入試にも当てはまる。数学教科の学力としての算数と数学的思考力としての算数ではやはり違う。後者の数学的思考ベースのM型思考力入試、つまり算数一科目入試に相当するのだが、この入試を開発したのも聖学院で、21世紀型教育機構メンバー校である。
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(同カウンシルの生徒部会のディスカッションのワークショップでは、工学院のインタークラスの高1と高2の生徒が ファシリテーターを英語で行った。)
★この数学的思考を重視する考え方も、いずれ大学入試に影響を与える。すでに早稲田大学の政治経済学部は、数学を重視することを発表した。まだ、数学教科の学力としてであるが、シンギュラリティ―がすぐ目の前に来ている以上、文理関係なく、数学を重視するようになる。そうなると、数学的思考ベースの数学の大学入試問題が出題されるのも時間の問題である。
★微分積分方程式の歴史的役割と未来を拓く可能性はいかにというような問題が。

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