【変わる】 静岡聖光学院副校長星野明宏先生 時代の変化・教育の変化・市場の変化を生み出す(2)KIDS CONFERENCE
★氏もまたエネルギッシュで、精神の背景に世界を空手道の気合でつなぐ気があふれている。21世紀は個の時代。それぞれが潜在的な才能を開花し、わくわくしながら協働して集合天才を組み立てていく時代である。
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★人の創ったアイデア、人の作った企画、人の造った基準にただ従うだけでは、一握りの天才の指示を仰ぐ生き方しかできない。20世紀戦後日本社会は、人口も多く、国内で自己完結できたが、それがだんだんできなくなってきて、ガラパゴス化とまで呼ばれるようになった。
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★そこを解決するには、本来正解が1つではないはずであるが、どうも日本はガバメントに解決策を任せる習慣から抜け出せない。どんなにICTを使おうが、英語力を鍛えようが、アクティブラーニングをやろうが、出発点がそもそも変わらない。もはやグローバルなんて言っている場合ではないと嘯いている有識者が多いが、まだガラパゴスであることに変わりはない。
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★慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業(前田研究室)後 、三菱重工で設計業務に従事して世界を相手に活躍したり、高級輸入車ディーラーの立ち上げスタッフの経験を積み重ねた大関氏は、学習指導要領に収まり切れないというかはみでている子供たちの潜在的能力を子ども自身が開花する学びの環境をつくらなければ、日本は立ち行かなくなると直感したのだろう。
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★一般的には「塾」と呼ばれるコミュニティを開業。しかし、話を聞いていくにつれ、どうも「塾」という感じではない。一般に、中学や高校、大学に進学するためには、学びのルールや基準が決められているから、そこからはみ出ている子供は、その型にあわせるように指導するのが塾である。
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★自分の潜在的な能力に気づいていない子供は、何も疑わずその型に自分を合わせていく。しかし、それができない子供もいる。とてつもない才能者だったりする。大関氏は、そのような子供を、そのプロクルーステースのベッドから解放し、その子供に適合した生き方を見出す塾を経営していた。だから教えることを中心に置かない学びの環境をずっとつくっている。人生という学びのファシリテーターであり、キャリアデザインのサポーターでもある。
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★そして、そのファシリテーターとして用意する学びの環境というのが破格である。
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★その子供が欲すれば、日本国総領事館を電撃訪問し、国連本部ガイドツアーを企画したり、プラット大学 キャンパスツアーを企画したりする。そのためにニューヨーク合宿まで実施してしまう。
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★ EUでモチベーションを内燃できる子供と出会ったら、IAEAやUNIDOの研究者とミーティングをし、国連 ウィーン事務局ガイドツアーや学友協会コンサートを企画。CERN欧州原子核研究機構・ATLAS実験装置日本グループの方々と連携して施設案内と素粒子物理学ミニ講義などまで実施してしまう。
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★政府の関係機関にリサーチに行ったり、WHOメディカルオフィ サーの方々にもインタビューしたりして、国連ジュネー ブ事務局ガイドツアーまでやってのけてしまう行動力の持ち主である。
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★枚挙にいとまがないほどの多様なプログラムを企画し実行している。なぜなら、子ども一人ひとりに合うプログラムは、学習指導要領だけではないからだ。
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★一つのプログラムに多くの子どもを合わせる学びは、結局は教え込むことになる。子ども一人ひとりの学びのプログラムは、教えるのではなく、1人ひとりが自力で創っていくことである。
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★そういう経験の積み重ねが、いわゆる「塾」ではなくて、「KIDS CONFERENCE」という新たな動きに転換する契機だったのだと思う。
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★そんなとき寮制学校である静岡聖光の星野副校長と出会った。同校もまた個人に合ったアダプティブティブな学びを追究している。特に寮生活は、そういう環境がある程度出来上がっている。
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★そんなわけで、寮を一つのフィールドでまたまた破格な本邦初のプログラムをいっしょに創ろうではないかということになったようである。
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★今回のミーティングの目的は、この子供一人ひとりの価値に投資する多様な学びのプロトタイプをどのように広めていくかであったのだろうが、どうやら自然に、多次元で多様なKIDS CONFERENCEが、静岡を拠点に、東京・神奈川を巻き込むトルネードとなる可能性が見えたような気がした。
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