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【八千代松陰】千葉から世界を変える(了) 教師力と先進的なティール組織

★前回、「授業におけるマインドスペース、キャンパスというリアルスペース、Webというサイバースペースという複合的な 空間で、集中思考と拡散思考を行ったり来たり、インサイドとアウトサイドを行ったり来たりすることによって、知のトルネードが巻き起こっている」と書いた。
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★つまり、これは、独断と偏見だが、イメージ図にしてみると上記のような座標系に変換できるのではないか。各象限は、八千代松陰の教育キーワードがきちんと収まる。
★そして気づきとして、「はつらつ」という意味は、開放的精神とあらゆる壁を突破するブレークスルーという二重の意味を示唆しているのではないかということなのだ。
★ とはいえ、このような渦を巻くには、座標系を描いたから生まれるというものでは到底ない。では、そのエネルギーは何か?それは教師力とそれを支える他校に類を見ない有機的組織が根付いているからである。
★教師は、理事長であれ、校長であれ、部長であれ、就任したばかりの若き教師であれ、自由に、公平に、気兼ねなく議論できる。
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★しかも、会議だけではなく、キャンパスを一緒に歩きながら生徒の様子を見守りながら、立ち話をするような、シリコンバレーさながらの対話も多い。短い時間かもしれないが、こういう対話で、閃きが起こるようだ。つまり、この組織は、クリエイティブマインドセットを大切にしている。
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★そして、この関係は、教師と生徒の関係にも同様に存在している。「さわやか」「はうらつ」「ひたむき」な姿勢は、教師も生徒も同様なのだ。
★このような関係を見守り支えているのは、教師の個人的力量もあるが、組織としても動けるからというのが、八千代松陰の強みである。
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★なぜかというと、八千代松陰は、 創立者山口久太が、世襲制をはじめからとらなかった。理事長は学内から選ばれるのである。5代目理事長竹川威先生も、教頭、校長とその実績を認められ信頼されて選ばれている。
★だから、他校のようなピラミッド型組織ではない。機動力稼働力俊敏力があるのである。自分の利益のために組織をつくるのではなく、組織の自由、公平、相互承認が持続可能になるように相互に知恵を出し合う、協働する珍しい私立学校の組織である。
★創立当初からそうだったのであるから、組織デザイン力も先進的だったというわけである。今やティール組織は憧れの組織であるが、日本で成功しているところはそう多くはないというか、給与体系が従来のままだから、トップダウンとかボトムアップとか、その中間的な組織が通常であり、人間関係の力学を変えるのは難しい。
★しかし、それをとっくに果たして実践しているのが八千代松陰なのである。40年間、先生方は突っ走ってきて、歩んできた道を振り返ると、今、世界が最も希求する新しい組織を構築してきて、その先頭に立っているということに気づいたのである。
★「世界を変える」というフレーズは、予測不能な時代だから、よく目にし耳にするが、それは、自己変容と組織変容がない限り、なかなか実現は難しい。
★多くの学校で、心ある教師が自己変容したとしても、組織自体が変容するというのは難しいというのは、2020年大学入試改革を遂行する大学当局の組織変容がいかに難しいかという現状を、日々ニュースで見てこれまたよく知られていることである。
★今回訪問して、八千代松陰の教師力とティール組織の生成力に期待がかかるのは、そういうことなのだと確信した次第である。「千葉から世界を変える」。その時代のリーダー八千代松陰に期待がかかる。

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