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【学校選択×学力モニタリング】(04)異能型受験生との出会いは可能か?

★異能型受験生とすれ違ってはいるが、きちんと対話をする出会いはまだない。A軸思考にもB軸思考にも頼らないで、C軸思考だけで、生き抜ける才能児との出会いは、中学入試という次元で果たしてあるのだろうか?
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★新タイプ入試と言えども、適性検査型が中心だから、A軸思考にはよらないものの、それはリサーチなどして補完し、B軸思考をベースに考え表現していく力を発掘することはできる。そのような受験者は、大変差な才能者だ。
★しかし、C軸思考だけでという才能者以上の才能者、つまり異能型受験生は果たしているのだろうか。
★そもそも以前から教科横断型とか一つの教科特化型というギフテッドはいるわけで、算数一科目入試とか、自己アピール入試では発掘できるかもしれない。
★しかし、異能型受験生とは、MITメディア・ラボの所長伊藤穣一氏が次のように語る「アンチ・ディシプリナリー」な領域で才能を発揮する人材なのである。
「インター・ディシプリナリーな研究とは、さまざまな分野の人々が共同で研究を行うことを指します。しかし、アンチ・ディシプリナリーはそれとは大きく異なるものです。その目的は、既存のどの学問領域にも単純には当てはまらない場所で研究を行うこと――独自の言語や枠組み、手法を持つ独自の研究分野です」
★つまり、既存の教科の枠組みをそもそも顧みることはないのである。このようなレールの外に、あるいはフレームの外に、はじめからいる才能者以上の才能者、つまり異能型受験生を受けいれる入試は、今のところ「思考力入試」以外に期待ができない。というのも、この入試は、C3思考力がメインなのである。
★異能型人材は、学校で、教科の学習には見向きもしないかもしれない。まずは、基礎学力が大事だという前提をもっていないのだ。というか、必要ではないと思い切っている。
★あくまで、メタファーに過ぎないが、硬い幾何の次元とトポロジー変換という柔らかい幾何の次元では、そもそも論理が違う。硬い幾何の次元にトポロジーの論理を持ち込めば、誰も評価しないだろう。
★それに相当する異能型人材を受け入れる学校はどこだろう。才能者以上の才能者である異能型人材。
★もし多様性を言うのなら、言語的多様性のみならず、思考の次元の多様性をも認めるとよいのではないか。
★才能者以上の才能者という意味での異能型人材を受け入れる学校は、今のところ聖学院だし、来年から共学校かする武蔵野大学中学校だろう。新校長の日野田先生は、まさにご自身が異能者であり、そのような人材を歓迎するからである。
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★しかし、それは未来の話で、まだ実際にはない。実際にあるのは聖学院だ。内田先生という異能者が実際にいて、内田先生の創る思考力入試は、B軸思考をC軸思考で融合してしまう。内田先生のようなエンジニアリングとアートの世界に生徒を導くプログラムは他にない。
★インター・ディシプリナリーなプログラムではなく、アンチ・ディシプリナリーなプログラムなのである。
★そういう意味では、異能型受験生にはまだ出会っていないが、内田先生という才能者以上の才能者である異能者に出会っている。出会ったときの共振音は、私の中で、日々大きくなるばかりだ。

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