2019年中学入試の新フレーム(162) 東洋大京北 人気の秘密
★今年も大人気の同校である。したがって、同校を一つの成功改革未来型学校の基準として、他校の説明会に足を運ぶと、将来性が見えてくると保護者には語った。
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★それにしても、この人気の理由は何であろうか。それは広大で学びの空間が贅沢に埋め込まれている新校舎もその一つであろう。ホールの音響施設やICTインフラを使わせていただいたが、使いやすかったし、語りやすかった。教育の空間とICTインフラの整備は大切だと実感した。
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★また、教育ソフトパワーの質量ともに豊かだ。多くの学校では、教育活動は多様だが、相互関係については不明な場合が多い。ところが東洋大京北は、3つの教育活動が有機的につながっている。
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★1つはキャリア教育。今春、共学化、新校舎、教育改革を始めて4年目になる。高校の1期生が卒業した。そして、その成果が改革前と比べて格段によかった。
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★しかも、SGUでもあり、超人気大学である東洋大学への入学もアドバンテージが高いという保証もある。とはいえ、井出先生は、保護者の皆さんは、さらなる目標を持っているでしょうから、それに対応すべく、今後もっともっと尽力しますと率直に語った。保護者にとっては、実に頼もしく、共感の波がパッと広がった。
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★2つめは、国際教育。中3の生徒が部活などで学校に来ていたのだろう。井出先生は、女子生徒を2人呼んで、1人には東洋大京北の国際教育についてリアルに語る機会をつくった。
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★東洋大の留学生のサポートや英語漬けの空間のおかげで、帰国生でないにもかかわらず、英語が話せるようになったし、プレゼンテーションに抵抗がなくなったと。論より証拠、その生徒は、確かに立派に即興的にプレゼンしていたのである。
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★そして、井出先生自身が自ら「本校自慢の哲学教育」と語る活動。これももう1人の女子生徒に語る機会をつくった。動物の殺処分のジレンマについて問い返し、人間のエゴや環境問題などへの広がりに気づくチャンスを得たということだ。
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★哲学教育は、問いは教師が生徒に与えるのではなく、対話などのプロセスから生徒自身が自分で問いかけていくところから始まるというコトだ。
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★そして、井出先生は、この3つの教育活動を有機的に結びつけるシステムが「授業」だと明言。これは少し驚いた。井出先生によると、自分たちの授業は、いわゆるアクティブラーニングだろうが、文科省が唱える前から行っていたのだから、逆に「授業」と言わせていただくと。
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★すでに、東洋大学京北の「授業」は、対話やディスカッションが埋め込まれているシステムを伝統としてきたのだというのだろう。古くて新しいシステムなのだと。付け焼刃の新しい授業手法としてのアクティブラーニングではなく、思考そのもの精神そのものを滋養する教養に基づいた本物授業であることを明言したわけである。
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★つまり、諸学の基礎は哲学にありという創設者井上円了の理想即現実を実践してきたから、明快にそう言えるのだ。
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★東洋大京北の人気の秘密は、この理想即現実を持続可能にする教師の実践的教養にあると改めて実感したひと時だった。
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