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2019年中学入試の新フレーム(167) 聖ドミニコ学園 女子教育に新たな風 石川一郎先生はファシリテーターの達人

★聖ドミニコ学園のカリキュラムマネージャー石川一郎先生は、同学園サイトで≪『聖ドミニコ2019』の挑戦≫というブログを書いている。かなり精力的に更新している。
★それにしても、タイトルは、『聖ドミニコ学園2019』の挑戦ではなく、『聖ドミニコ2019』の挑戦である。学園の守護聖人聖ドミニコだったら、今何をするのかという創造的問題解決を学園の先生方と議論し、次々と手を打っていく構えなのだと思う。
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★このブログは、順に読んでいくにつれ、聖ドミニコと共に先生方が日々創造的問題解決に頭を巡らし、行動している様子がわかる。
★石川一郎先生は、聖ドミニコ学園の女子教育において、次の3つを大事にしていると述べている。
SUSTAINABILITY(持続可能性)
DESIGN(デザインする)
CONNECET(つながる)
★SUSTAINABILITYの肝は、SDGS(持続可能な開発目標)の実現のために、道徳的な側面だけではなく、科学的問題解決を行っていくとある。
★DESIGNの肝は、STEAM、特にARTの大事さが今後問われるとある。
★CONNECTの肝は、相手のバックグランドや繊細なニュアンスもつかまえるような言語能力。
★ここには、今までの女子教育観をベースにしながらも、全く新しい挑戦がある。言語能力は、女性にとって得意な分野だといわれてきた。英語、フランス語、母語をしっかり聖ドミニコ学園は行ってきて、大学進学実績も伸ばしてきた。
★そして、その言語能力を、いわゆる理系文系という枠組みではなく、科学的問題解決という、文理越境する領域で学ぶカリキュラムを想定していることが、最近のブログで描かれている。
★これが、イマージョン教育だったり、PBLの足場となるという考え方である。聖ドミニコは、13世紀にカトリック内の改革を行い、暗黒の中世を言語と神学(今でいえば、科学や哲学に相当する)によって、光を当てることになる修道会を生み出した。この修道会は、革命家、哲学者、科学者、芸術家などおよそ教養の粋を極めた学術集団を形成し、今に至っている。
★ハイデガーも対決したが、乗り越えられなかった偉大なトマス・アクイナスもこの修道会のメンバー。欧米の大学の対話と議論のスタイルを確立した思想家でもある。
★もし聖ドミニコだったら、どんな教育改革をしたであろう。そう想いを馳せながら、対話しながら「新しい女子教育の風」を巻き起こそうとしているのだろう。
★石川先生は、トリックアートのマインドも忘れない。3つのキーワードの頭文字をつなぐと“SDC”となるが、ここにはアクロスティックとしての仕掛けがある。“SDC=Saint Dominic Confidence”というわけである。「聖ドミニコの確信」。なるほど(微笑)。

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