2019年中学入試の新フレーム(173) 静岡聖光学院 世界一入りたい寮(3)
★食事時に取材にはいったとき、KIDS CONFRENCE主宰の大関秀樹さんも、すっかりその場の雰囲気に溶け込んでいた。ふと見ると、生徒といっしょに食事をしているではないか。
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★なるほど、これが先日お会いした時に、話題にのぼっていた「謎の企画」だったのだとピンときた。
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★と思っているうち、食事が終わった生徒が黒山の人だかりをつくりはじめた。いつの間にか、大関さんもいて、生徒たちと宇宙遊泳していた。いやそう見えただけだが。
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(先ほどまで、食事をしていたはずなのに。)
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★大関さんは、ご自身が主宰者であるKIDS CONFRENCEに、地理的条件(空間の条件)が合わなくて参加できない子どもたちのために、VRをWiFiでつないで、バーチャル上で会議をしようというのである。
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★KIDS CONFRENCEは、学校でも塾でもない。世界の諸問題について、メンバーが集まって、話し合うのである。何かを決めるというのではなく、いろいろな考え方に互いにサプライズする刺激的な知の饗宴なのだ。そして、仕上げは、グローバルイマージョン!海外にフィールドワークに出かける。計画は参加者がワイワイガヤガヤ。
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★何せ大関さんは教えない授業の筋金入りの提唱者であるのだから。
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★ともあれ、学校とか塾のレールを走らなくても、自分の好きなことを見つけたいという型破りな子供たちはいるものだと感心していたら、静岡聖光学院の寮生の中にも、入会したいという生徒がいるというから驚いた。
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★ある意味非日常空間である静岡聖光学院の寮生活をさらに越境しようという生徒の存在。彼らの未来は自分たちの手で創れるから何の心配もいらないのかもしれない。
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★しかし、寮から横浜まで頻繁に行くのは、規律上できない。その生徒が残念だと思っていたら、そこは大関さん。規律内で、越境できる方法はないかと。それではVRを使ってみてはどうだろうかと島田先生や渥美先生に、星野先生を介して交渉しにやってきた。
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★すると、多様性を大事にしている島田先生や渥美先生は、大いに耳を傾けたそうである。今後イートン・カレッジをはじめ、留学生などが入寮する可能性が見えてきた。多様性に一定の形などない。
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★リアルな空間の越境だけではなく、バーチャル空間の越境もむしろありではないかと。まずは、生徒がどういう興味を示すか見てみようと、今回のサプライズ企画ができたようだ。
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★しかしながら、島田先生方のこの俊敏力は何のなのだろう。ああ、これが規律と自律/自立の関係を最適化するリーダーシップがうまく機能しているからなのだなと気づいた。
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★そもそも、VRが使えるWiFi環境が整っている寮は、意外と少ない。整っていたとしても、かなりセキュリティが厳格である。
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★そのこと自体、驚くべきことではあるが、静岡聖光学院では、基本的なレールを進みながらも、レール外の世界との交流も自由にできる環境を作っているのであるから、当然と言えば当然なのであろう。
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★リアルな空間とサイバー空間が創り出すグローバルイマージョン。ある意味ミネルバ大学のレジデンスとアクティブラーニングフォームとの統合されたグローバルイマージョン発想と重なるではないか。
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