2019年中学入試の新フレーム(174) 静岡聖光学院 世界一入りたい寮(了)
★なるほど、規律と自律/自立の関係の最適化なのだ。声を荒げて、勉強時間だぞなんて怒鳴る先生は誰一人いない。というより、そんな暇はない。寮担当ではない先生方も、生徒の質問に対応しにやってきているのだから、その協力に感謝し、居心地の良い雰囲気を作るのが大切だということだろう。
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★それにしても、生徒1人ひとりそれぞれに、多種多様な学びを行っていた。パソコンに向かって、探究論文を作成している生徒もいれば、スマホを熱心に操作している生徒もいる。
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★それで、WiFiが完備しているのかとようやく納得した。スタディアプリを使っているのである。基礎学力は、スマホで。探究学習はパソコンで。テスト対策は、ノートで。
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★にしても、先ほどの人数より生徒は少ない。みんなお風呂というコトはないだろうと、渥美先生に尋ねたら、自分たちの部屋で勉強していますよと。
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(4人部屋で勉強している姿を撮影させて頂いた。おお、これぞ男子寮の部屋かと思って扉をあけると、予想とは違い、整理されていた。)
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★どうしても、寮の勉強というと、大部屋で、監視の先生がいてという雰囲気をイメージしてしまうのだが、静岡聖光学院は、それぞれ自分が集中し、没頭できる居場所で勉強してい良いということらしい。中学生は2時間、高校生は3時間以上勉強するというルールはあるが。
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★規律と自律/自立の関係の最適化とは、こうしてみると、セルフマネジメントという言葉のほうがしっくりくる。そういえば、塚田くんの部屋は実にきれいに整理されているという。後輩も自然と影響を受ける。
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★リーダーは、組織をマネジメントしなくてはならないが、まずはセルフマネジメントができなければ、仲間を巻き込むことはできない。
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★私が訪れたその日は、前日から日本列島は大雨で、西日本では悲報が続いてしまった。しかし、日本列島は災害が多いから、いつどうなるかわからない。セルフマネジメント、組織マネジメントは欠かせない。それこそがサバイバルスキルということになる。
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★渥美先生によると、静岡聖光学院は、災害避難所に指定されているから、グランドに100以上の仮設テントを張れるようにもなっているという。そういうこともあって、リスクマネジメントに対しては寮生は敏感だという。
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★一度、幸い一日で復旧したが、大規模停電、断水が地域で起こったとき、高3生が率先して、水を確保し、生活用水や飲料水など準備し始めたという。
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★渥美先生は、自分たちが何も言わないのに、寮全体のリスクマネジメント体制を生徒自身が創り出すという俊敏力に目がしらが熱くなったという。
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★生徒の一挙手一投足を見守り、そこに小さな成長を見ては静かに感動している教師陣。世界一入りたい寮は、かくしてファシリテーションとコーチングをその場その場で使い分けできる優れた教師の目に見えない力が支えているのであった。
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★もしかしたら、家族以上の家族なのかもしれない。だからこそ、寮生活で出会った仲間は一生ものであり、頻繁に連絡を取り合い、助け合い、中には渥美先生のように母校に戻ってきて、この伝統を持続可能にする好循環を生み出している教師もいる。
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★通いの生徒が寮生活を憧れのもわかるような気がするではないか。
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