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2019年中学入試の新フレーム(175) 女子聖と聖学院はTeam Beyond!

★昨日7月8日(日)、女子聖学院のクローソンホールで、同校佐々木先生(広報室長)と聖学院の児浦先生(21教育企画部長)とによってパネルディスカッションが行われた。コーディネートは拙いながら私が。首都圏模試センターの「公立中高一貫校模試」の会場校であったため、同時開催の保護者会の一環として行われたものだ。
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★テーマは、「公立中高一貫校に変化あり!~乗り越え難いギャップに挑戦する!あるいは回避するために。」だった。
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★というのも、2018年の首都圏公立中高一貫校の受検者数は、17,292人で、合格率は18%という超難関だからである。どういうことかというと、どんどん教育環境とその質は変化し、一部の都立高校と公立中高一貫校はその変化に先進的に対応しているが、それ以外の公立学校の環境がそれに追いつけていないため、合格するかそうでないかで、想像を絶する乗り越え難いギャップ=壁が立ちはだかる。
★仮に都立高校の段階で、いわゆるリベンジすればよいという考え方もあるが、もし私立学校と併願できるなら、それに越したことはないという趣旨である。もちろん、どんな私立学校でもよいというわけではなく、子どもの「潜在的才能を生かせる場」でなければならない。
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★その意味で、女子聖学院と聖学院は最適な学校である。というのも、佐々木先生が語るように、「一人ひとりの才能は、他者を受け入れるコミュニケーションや他者や社会に自分の才能を役立てようとする責任感を引き受ける状態の時に生まれて」来るものだからである。
★また、「多様な人間関係の中で、はじめて自分の才能や使命に目覚めるものである。確かに英語力や思考力は重要な局面を迎えているけれど、それは多様性の中でこそ、他者と共に生かされる言語能力だったり思考力として発揮できるのだ」という。
★児浦先生によると、「思考力入試で入学してきた生徒が今では学年でトップ。合格した答案を見ると、書く能力に非常に長けている。このような試験は、一般試験では出せないので、ある意味、生徒の潜在的才能を発掘できたことになる」と。
★また、「世界大学ランキング100位以内の大学に次々と合格する生徒は、認知的能力、つまりいわゆる学力は超優秀。でも、その部分では、そのようなレベルの大学では、差がつかない。結局は非認的能力として他者を巻き込み協働する力などがものをいう」と。つまり、やはり人間力なのだ。
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★公立中高一貫校の問題は、A軸思考(知識・理解中心の問題)は重視されていない。B軸思考(応用。論理的思考が中心)とC軸思考(批判的&創造的思考)に力点が置かれている。
★合格する生徒は、B軸思考では差がつかないから、結局C軸思考で差がついてしまう。しかし、問題は、B軸思考がうまくいかなかったために、C軸思考ができても、配点が圧倒的にB軸思考中心のために合格できない生徒がいる。
★佐々木先生も児浦先生も、そういう才能者こそわが校に来て欲しいと。才能者が力を発揮する翼を身に着ける教育はどこよりも得意とするところなのだと語る。
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★12歳の段階では、A軸思考が得意な生徒、B軸思考が得意な生徒、C軸思考が得意な生徒がいる。すべての軸がバランスよく得意であるという生徒も、もちろんいる。両校に進んで、6年経って卒業する時、A軸思考やB軸思考は当たり前のようにできるようになり、さらに、ここが最も重要であるが、生徒1人ひとりの才能を生かすことができるC軸思考も身に着くのである。
★どんなにA軸思考、B軸思考が得意でも、それは認知的能力であり、個性や主観は入りむ隙間がない。非認知的能力がベースのオリジナリティを大切にするのはC軸思考である。客観的な認知能力は、AIがある程度カバーしてくれる時代に30代半ばになっているだろう現在12歳の子どもたち。
★潜在的な才能を生かせる能力を育成することがいかに重要であるか、保護者の方々とシェアしたパネルディスカッションだったと思う。
★そして、賜物という潜在的才能を大切にし、それが開花する教育を、同じように行っている女子聖学院と聖学院は、まさに同士であり、あらゆる壁を乗り越える精神に満ちているTeam Beyondそのものだったのである。新しい別学が、中里の聖なる丘に凛としてそびえているのである。

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