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2019年中学入試の新フレーム(181) 静岡聖光学院 世界と息吹を共有する。1週間で、鈴木大地長官とイートンとマレー・カレッジ。

★先週末、静岡聖光学院を訪れ、進化の急変ぶりに驚いていたのだが、1週間も経たないうちに、さらに驚きの展開が広がった。

★スポーツ庁鈴木大地長官が訪れ、イートン・カレッジの卒業生も訪れ、国際科学交流では、マレーカレッジを訪問していた静岡聖光学院の生徒は、そのプレゼンで2位受賞を果たした。

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(写真は同校Facebook聖光見聞録から)

 

★鈴木大地スポーツ庁長官は、今注目されている運動部活動改革の取組のために、事例視察を行っている。その一環として、同校の部活動を視察にきたようだ。特に同校のラグビー部の活動は効率的で効果的だと評判である。
★活動日は週 3~4 日で、平日の活動時間は 1 時間 30 分程度。それで、花園ラグビー場で行われる全国大会に 4 回出場している。効率的・効果的な練習を行っているからだと、その驚異的なコーチングスタッフ体制と生徒の協働性・判断力などメディアもしばしば取り上げる。今回の鈴木大地長官視察についても、NHKが取り上げている。
★大事なことは、Growth Mindsetだと、副校長星野先生は語る。先生は、有名なラガーマンで、ナショナルチームのユースの監督でもあったほどだ。
★来年、イートン・カレッジのラグビー部との交流も始めるという。星野先生のねらいは、ゴールドメダルを取るための部活ではなく、チームビルディングやモチベーションのアップを、生徒自らの内側から湧き出てくるGrowth Mindsetを行うのが本意なのであろう。
★そして、そのイートンを卒業したばかりの学生が、ギャップイヤーの機会をつかって、今静岡聖光学院に訪れている。教育ボランティアという使命を帯びて日本にやってきた。この話も、突然の話で、Growth Mindsetが浸透しているからこそ、おもてなしの動きが俊敏にできた。
★しばらく寮で、生徒たちと寝食を共にしながら、学びのサポートをしてくれる。
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★さらに、クアラルンプールに、マレーカレッジから招かれた国際科学交流に参加するために、代表生徒が飛んだ。各国からやってきた生徒とディスカッションしたり、プレゼンをしたり、はやくも同校の骨太の英語教育や学問ベースの教育の質が証明された。
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★6日目最終日は、クロージングセレモニーだが、それに先立ち、ジャパンブースを設営した。同校サイトによると、
「昨日の発表に関する内容の質疑応答や、日本の文化の発信を行いました。体験型のブースを、ということで、書道コーナーにて、書道を体験してもらいました。また、「私の名前を日本語で書いて!」とお願いされ、書いて差し上げる場面も。書く生徒も、プレゼントされる生徒も、とっても楽しそうでした。」
★そして、クロージングセレモニー。前日の研究発表の表彰が行われ、同校のプレゼンは見事、2位受賞ということになった。
★鈴木大地長官視察、イートン卒業生の訪問、マレーカレッジ体験。すべて初体験の静岡聖光学院。しかも、1週間の間の出来事である。
★今静岡聖光学院は、学びの空間の大規模リフォームの真っ最中。先行的に職員室や図書室のリフォームは終わったが、9月にはキャンパスリフォームの全貌がわかる。
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★静岡聖光学院は、21世紀型教育のコア教育をまず創り上げ、学びの空間もリフォームし、国内外問わずグローバルイマージョン(グローバルな環境に浸ること)の環境を生み出した。ICTも授業の補助輪ではなく、カリキュラムマネジメントというシステム全体にまで広がっている。VRの実験まで行われているぐらいだ。
【図1】
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★このような教育は、他の学校でもチャレンジされているが、 たいていの学校は、コアルーブリックである「思考コード」ができていない。だから、生徒は自立した/自律した学習者ではなく、トレーニングされ習慣化された学習パターンに依拠しながら大学や社会に出る。この状態をFixed Mindsetと呼ぶ。
★つまり、静岡聖光の部活と授業の両方に共通する「Growth Mindsetによる課題解決型人材育成」とは真逆である。
★今自己肯定感の低い生徒が多いことが、日本の教育で大問題になっているが、Fixed Mindsetされているわけだから、当然である。この凍てついたルーチンでしか動けないマインドを解氷するGrowth Mindsetができる教師陣が、静岡聖光には揃っている。
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★静岡聖光学院の21世紀型教育×グローバル教育3.0へと急激に進化できるのは、はじめに、思考コードを足場にコア教育の構築に着手したからだ。もちろん、それができる教師陣が大前提。
★【図1】にあるような教育デザインは、海外のエスタブリッシュ校では、当たり前であるが、日本の教育においては、2020年に改革されると言えども、まだまだ行き着かない。そういう意味でも、いずれ、文科省や経産省が、その最先端モデルとして同校に視察しにくる日も近いだろう。
★鈴木大地長官の視察は、その象徴であろう。

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