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2019年中学入試の新フレーム(183) Mの衝撃さらに大きく!

★昨年、「Mの衝撃」についてたびたび言及したが、やはり今年もMの衝撃波は大きくなるなと感じている。
★元ミネルバ大学日本連絡事務所代表の山本秀樹氏の新刊書「世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ」という本を読んで(例によって斜め読みだが)確信した。
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★同書に流れる響きは、ジョブス、伊藤穣一、アラン・ケイ、ピーター・センゲ、シーモア・パパート、デビッド・ボームなどの想いと共振している。
★同時に、その実際的な教育も21世紀型教育機構と共鳴する。
★ミネルバ大学の1年生で行うプロジェクト学習、クリエイティブ・シティ構想、未来学的な探求学習までは、中高でもやりたい。いわば、ミネルバ大学に接続するAP的な発想で取り組むと、ようやく日本の教育も世界標準になれる。
★そのためには、C1英語は当たり前だし、PBL型の授業が日常化し、ICTも授業の補助用具ではなく、カリキュラムマネジメントシステムであり、生徒にとっては、セルフリフレクションデータベースでなければならない。リベラルアーツとしてのSTEAM教育も探究学習として必須だろう。
★ミネルバ大学は、全米でクリエイティブシンキング貢献度ナンバー1という評価を外部機関CAEによって公表されているようだ。
★ミネルバ大学の学生の研究は、クリエイティブで社会貢献度が高いということだろう。C2英語、PBL、カリキュラムマネジメントとしてのICT活用、グローバルイマージョンの環境。C2英語とまではいかないが、C1英語までだとすると、すでにこの環境が整っている私立中高一貫校はある。
★個人がミネルバ大学に合格することは今ままででも可能だったが、もしも学校全体が丸ごとミネルバ大学と連携しようとしたら、すぐにできるだけの学びのイノベーションを創発しているかというと、いわゆる御三家でも現状では無理だ。高偏差値の学校中で、ミネルバ大学のような環境に比較的近い学校は聖光学院だろう。
【図1】
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★しかし、三田国際、静岡聖光学院、聖学院、文化学園大学杉並、和洋九段女子、富士見丘、順天などは、すでに【図1】のような学びの構造を学校全体で取り組んでいる。肝は思考コード(ルーブリック)がコアとして機能しているかどうかであるが、ここさえ創発できれば、この6校に続く学校はまだまだある。聖徳学園、八雲学園は、思考コードさえできれば、あとはすべてある。
★たとえば、工学院の場合は、思考コードはすでにできている。それ以外はやはりすべてある。あとは学校全体で共有するかどうかだけだ。もちろん、思考コードやルーブリックができていたとしても、【図1】のような有機的なリンクができていない場合もある。有機的リンクをいかにするか企図しなくてはならないだろう。
★また、IBを実施している学校は、もともとIBプログラムはルーブリックが整っているから、ミネルバ大学にアクセスできるが、学校全体として、IBを実施しているわけでなく、あくまでIBコースがあるということであり、その環境がアクセスできるということにすぎない。
★いずれにしても、Mの衝撃は、2019年度中学入試においてますます大きくなる。未来において子供が自らの価値を高められるクリエイティブシンキングを体得できるかどうか、同書は、そこに興味がある方の必読書となろう。

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