2019年中学入試の新フレーム(184) キャリアガイダンスは必読!聖光学院の取り組みをきっかけに考える。
★リクルートが発行している「キャリアガイダンスVol.423」は、中学受験生の保護者も必読である。いかに中学受験が、受験競争からキャリアデザインの入り口にシフトしているか了解できるし、2024年以降の本格的大学入試改革の状況もわかる。電子版を見ることができるから、実に便利だ。
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★今回のテーマは「eポートフォリオ」。大学入試改革のコンセプトの1つが、1点刻みのテストスコアだけで、合格がが決まるのではなく、どのような学習体験をしてきたのかその履歴も参考にしようと。
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★それゆえ、キャリアパスポートと仮称されているゆえんであるが、実際には、キャリアガイダンスやキャリアデザインの時の面談で、教師と生徒が振り返りをしながら、それを共有していく過程が重視されているし、期待されている。
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★生徒が一方的にサイバー上のポートフォリオに書き込んでいくだけではなく、教師やチュータ、あるいはピアレビューまでできる仕掛けが、すでにクラウド上のプラットフォームでは、可能だ。
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★AO入試などで、学習履歴を書き込んだりするのに、極めて便利なポートフォリオであるが、ただ、生徒が書き込むだけでは、成長は飛躍しない場合もあるし、潜在的な才能に気づかない場合もある。
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★ポートフォリオによる振り返りがメタ認知を育むかもしれないが、そのメタ認知の発達段階に関しては、いまだ解明されていない。
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★おそらく、今までのようにそのまま生徒が書いていただけでは、結局は自己表現がうまくいかずに、合格できない。その困難さは、今までの一般入試とどう違うのだろうか。
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★合格の壁に対する生徒の心情やストレスは、あまり変わらないのではないか。そうであるなら、改革の意味はなさないだろう。自己肯定感はちっとも高くならないからだ。そこでAO入試対策サポーターが塾という形で存在するわけである。
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★しかし、同誌の記事から推測するに、聖光学院は、そのサポート部分を高校からではなく、中学から独自に開始する。eポートフォリオは最終的に活用するなのだろうけれど、それまでは、クラウド上の聖光学院独自のプラットフォームで、生徒のポートフォリオとそれを生み出す過程のプロセスフォリオを書き込んでいく。
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★プロセスフォリオは、教師と生徒のピアレビューができる状況までできている。今は、面談で行っているようだが、面談前及び面談後のピアレビューは可能だし、リアルにはすでに授業で久しく展開されている。この展開を今後いかにSNS的なプラットフォームにおいて可視化するかだが、それについては、まだ企業秘密なのだろう。記事にはなっていなかった。
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★しかし、聖光学院のシステムが紹介されているから、それをすでに想定しているか、すでに開始しているかは、推理できることである。
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★いずれにしても、高偏差値で超大学合格実績の聖光学院が、このような新しい学びに取り組んでいるというコトは、たしかに時代が変わるということを意味している。
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★クラウドコンピューティングが聖光学院を、あっという間に中学受験界の頂点に立たせることになるだろう。それがコンピュータという脱技能の威力なのである。
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