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2019年中学入試の新フレーム(186) 聖徳学園 両翼「グローバル教育とSTEAM教育」で飛翔!(2)

★聖徳学園の校長伊藤正徳先生の組織マネジメントは、これからの学校のモデルの1つである。というのも、マネジメントマインドが、トップダウンとボトムアップの化学反応が起こるようにするということだからだ。
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★その精神は、もちろん、「和の御教え」という建学の精神からきている。それゆえ、教師と生徒の関係も同様なのである。互いの化学融合が、新しい学びに生徒のアイデアが生かされることになる。
★たとえば、1人の高校生が動き出して、「U-come」=「UNESCO communication meeting」とのコラボレーションを実現することになる。「U-come」とは、≪「ユネスコ」活動者の青年有志で立ち上げた事業で、ユネスコの教育・科学・文化の視点を主軸に、青年自らで社会問題に関して気付き・考え、解決策や社会貢献に向けて行動することができる青年育成事業を目的としている。U-comeというイベントを通し、「平和とは何なのか。平和に近づくには、これらのモンダイをどうしたら良いのか」ということを議論やフィールドワークなどを行い、みんなで考えていく≫(「U-come」サイトから)というのである。
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★同校のグローバル教育の場は、もはや国内外を越境して、身近なところから地球全体に等しく広がっているという発想が、聖徳学園の生徒には共通認識となっている。あらゆる分断の壁を乗り越えることが聖徳学園の建学の精神のキーワード「和」から来ている。
★「U-come」と協働して、学校外のネットワークを巻き込んで世界を変えていこうという学び。同校で学ぶグローバル教育は、こうして社会につながり、通じ、役に立っていくというオーセンティックな学びなのである。
★この土台は、同校の長年積み重ねてきた国際協力プロジェクトの活動。他国の情報を分析し、問題を発見、解決方法を提案・実行する力を育むことを目標に、聖徳学園の高校2年生全員が1年間かけて行う活動である。
★今は、総合科の授業と情報科の融合活動となっている。ICTを活用するSTEAM教育とのリンクがあるからである。
★このプロジェクトでは、ルワンダ共和国、ミクロネシア連邦、タイ王国、スーダン共和国、モザンビーク共和国、インドネシア共和国を拠点にしている。生徒たちは、3Dプリンターを駆使して贈り物を作成したり、あるいは、ランゲージアーツやビジュアルアーツの集積によってポスターや動画を作ったりして、最終報告にたどりつく。リサーチ、フィールドワークだけではなく、実際にそこの国の人々と問題を共有し、問題解決型学びを実行するのが基本型となっている。
★このベースがあるから、武蔵境という地域都市とベトナムをリンクさせるグローバルな活動もできる。武蔵野市の名産である「とうがらし」と「とうがらしかりんとう」を武蔵境活性化委員会から提供してもらい、これら名産をホーチミン市にあるイオンモールで販売し、その売り上げを孤児達の教育費として寄付するプロジェクトである。この活動について、生徒たちは、市長や市議会議員の方たちの前でのプレゼンテーションするわけだ。
★もはや教科書を超えて、世界を変える知の活動を行っているではないか。しかも、販売という学びも行い、それを寄付するという行為もすることによって、新しい経済システムをベトナム市民や武蔵境活性化委員会と企画しようという動きもあるという。
★このような活動は、アジア・アフリカだけではなく、北アメリカでも行う。シリコンバレーで、現地で活躍する起業家を対象に、テクノロジーは世界をどこまで変えていくのか、そのアイデアをプレゼンするという。シリコンバレーに飛翔し、世界を変える生徒たち。グッとくるではないか。
★これは、伊藤校長のロサンゼルスで活躍しているYES代表山内氏との出会いがあったからだという。山内氏は、長年外から日本を見ていて、未来の日本に危機感を抱いている。進取の気性に富んだタフなグローバル人材が日本から輩出される必要があると焦燥感をいだいていたとき、未来を見据えてグローバル教育とICT教育先端を走り抜ける聖徳学園をマネジメントしている伊藤校長に出会ったのである。同校から次世代リーダーが生まれる事を大いに期待できると確信したようだ。
★ただ期待するだけではなく、惜しみなく応援するという。その第一弾が、聖徳学園中学・高等学校とマーセッド大学による国際交流パートナーシップ協定のリンクに一役買ったようだ。
★双方の文化的・教育的な交流を促進し、米国への留学を希望する生徒へのサポート、米国での研修プログラムの実施などなどが盛り込まれているという。マーセッド・カレッジは、全米でも有名な4年制大学への編入率の高いコミュニティカレッジである。今後、海外大学の進路も充実していくだろう。
★そして、このシリコンバレーでの生徒たちの活動もまた、山内氏の協力なくしてできないという。
★聖徳学園の生徒は、国内外で、自分の世界を変える体験をし、同時にそれが世界を変える行動力につなげていく。このようなプログラムは、およそ従来の日本の国際理解教育では思いもつかないような越境的で創造的なソフトパワーの塊ではないだろうか。
★そして、このようなソフトパワーの塊が生まれ出でるのは、組織マネジメントのなせる妙技であることは、もはや説明するまでもないだろう。

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