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【CoMe世代】人類の子供たちと言葉にする時間を共有できるか?

★井庭先生のチームが作成した「対話のことば~オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得」(2018年7月20日/丸善出版)はどこのページを開いても気づきがあふれてくる。
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★たとえば、「言葉にする時間」というパターン・ランゲージ。何か質問をして、相手からなかなか回答が返ってこないとき、私たちは、ヒントを出す質問をしたり、別の角度から考えようと質問をずらしてしまうときがある。いや、ほとんどそうだ。
★沈黙が恐ろしいわけだ。しかし、相手が内省の状況にあるときは、相手が自分なりに考え、それを言葉にしようとする時間を待った方がよいのだと。一緒にそこにとどまるのだと。
★すると、「本人がすでにわかっていたことを語るのではなく、改めて体験を振り返り、再考し、言葉を選びなおして語ることができるようにな」るというのだ。
★そうすることで、本人の≪体験している世界≫が新しい世界として現れてくるという。その新しく現れてきた世界というのは、本当はもともと本人の内側の奥にあったものであるが、それをスクいとらないでいた本人がいたことに気づくわけだ。
★その気づきの全過程を共有する時間が「言葉にする時間」というパターン・ランゲージなのだろう。
★今の教育で、なかなかこの「言葉にする時間」を持てない。それは、教科書というすでにわかっていることから出発する授業がほとんどだからである。カリキュラムが終わらないから、「言葉にする時間」など待てないといわれるのがオチだろう。
★とはいえ、今まで体験してきた世界の一部しか切り取れてこなかった自分が全部を捉え返すことができるという内省とは何だろうか?
★いくら内省しても、言葉にならない目に見えない何かを、言葉に表すというのはどういうことなのだろうか。
★これまで、私たちは、そんな言葉にする時間を持ってこなかった。だから、わからないのだ。
★この言葉にできないものを言葉にする時間をとるには、やはり対話というトレーニングを必要とする。すでにわかっていることではない未知の領域から出発して、考えるというトレーニング。ブレストなどは、その一つなのかもしれないが、もっとふだんから自然にできないのだろうか。
★C軸思考の時間をとることがいかに重要であるか改めて気づいた。クリエイティブラーニングの時間を作ることは、言葉にする時間となる。もちろん、STEAMの時間はみなそうなるだろう。
★従来型の教育で、STEAMという時間をとってこなかったということは。言葉にする時間をとってこなかった教育が中心だったということだろう。ヤバいじゃないか。

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