教育の挑戦

エラ・ガンジー氏による佼成学園(男子・女子)のための講演

☆本日5日、普門館で、佼成学園と佼成学園女子の生徒全員を対象にエラ・ガンジー氏による講演会が開催された。平和構築のためのガンジーの思想を孫であるエラ・ガンジー氏が南アフリカで広め活動を収めていることを語った。演題は「マハトマ・ガンジーの非暴力の精神 すべての命を守るために」。

Pb050837 ☆通訳は、佼成学園と佼成学園女子から代表が1人ずつ引き受けた。エラ・ガンジー氏は、祖父のミッションを引き継いで、南アフリカのアパルトヘイト政策と闘ってきたし、闘っている。

☆自身8年間自宅軟禁の抑圧を受けたり、ご子息を暗殺されているというのだから、すさまじい。そのエラ・ガンジー氏の言葉を直接聞いている生徒の内面はどれほど揺さぶられたかは測り知れない。まして、隣りで通訳する言語経験は、最後に彼女たちの感謝の気持ちにあるように、自らの人生を変えるほどの事件だっただろう。

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男子校・女子校か共学校か?

☆書棚を整理していたら、”the International Boys’ Schools Coalition”のパンフレットが目に入った。95年に開設されたアメリカ拠点の中等教育における男子校のコンソーシアムだ。

☆ポストモダンのながれにのって、世界中の学校教育が共学校が当たり前という風潮になり、男子校や女子校であるシングルスクールが、不易流行を見直し始めたのもこの時期だったのだろう。

☆ なにせ世界はWindows95と共に一気呵成にフラット化、グローバル化した。しかし、一方でおもしろいことに、脳科学の10年と言われるほど、脳の世界の認識が広がり深まった。そこでは、どうも男子女子の脳差があるのではないかという話になった。

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2009世界の大学ランキング発表

☆今月8日、The Times Higher Education-QS は、2009年の世界の大学ランキングトップ200を発表した。

☆ランキングは、ご承知の通り、偏差値で決めているわけではない。大学関係者による評価や、研究論文の引用回数、スタッフ1人当たりの学生数など、教育力と研究力を総合的に評価して決定。ある意味クオリティスコアを作りだしている。

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本当に社会は激変しているのかと問う私学

☆政権交代した。たしかに表面的には激変だ。しかし、優勝劣敗型市場と平等支援型市場の2極点をいったりきたりしており、その点において近代の矛盾は乗り越えられていない。

☆もともと≪私学の系譜≫は、そのダブルバインドをどのように乗り超えられるかという夢と理想がある。

☆表面的には激変かもしれないが、人間の生き様という点において根源的問題は、明治維新以降変わっていないのだ。その問題に意識の古層で迷い、悩む生徒たち、大人たち。

☆ここにチャレンジしているのが私学の教育。本来の正当性・信頼性、そしていまここでの妥当性を貫く教育活動以外に進むべき道はない。

☆言葉は違うが、説明会でそう語っているクオリティスクールがたくさんある。どうか受験生と保護者の心に、その古層で闘っている私学の声が届きますように。

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伸びる学校[059] 佼成学園女子の魅力 【了】

佼成学園女子の部活もおもしろい。部活やクラブはどこの学校でもあるのだが、その表現が実に同学園の質を映し出しているのである。

☆正門から生徒は一礼(必ずしもすべての生徒ではないが、この自分を見つめ空にする瞬間の意義については先生方が議論している最中)してはいる。すると吹き抜けのロビーが広がる。

☆茶室的発想だし、フランク・ロイド・ライトが好んでデザインした空間手法だ。人間関係は自らを謙虚という空にし、心を開放的にしなければ、うまくいかないが、その両方をこのエントランスの空間が演出してくれる。

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伸びる学校[058] 佼成学園女子の魅力 【3】

☆前回(伸びる学校[057] 佼成学園女子の魅力 【2】同様、佼成学園女子の横断知養成の仕掛けについて考えてみたい。

☆佼成学園女子といえば、英語教育。これは先週の「サンデー毎日」でも取り上げられていたほど。塾の先生方が選んだ英語に力を入れている学校として、ランキング6位入りしているのである。

☆どのように力を入れているかというと、イマージョン教育、ニュージーランド留学、英検まつりという多様多層な英語教育を行っている。

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伸びる学校[057] 佼成学園女子の魅力 【2】

☆前回「伸びる学校[056] 佼成学園女子の魅力 【1】で、

教科横断型の学際知=横断知こそ、遊びと学びの統合である。そしてそれは論理性と創造性の育成でもある。佼成学園女子にはこの横断知を随所で養う仕掛けが構築されている。

☆と書いた。さっそく、横断知養成の仕掛けがどこにあるのか見ていきたい。

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伸びる学校[056] 佼成学園女子の魅力 【1】

佼成学園女子は、サンデー毎日(2009年9月6日号)「学習塾が勧める中高一貫校(首都圏有名407塾塾長・教室長アンケート)」の「英語教育に力を入れている」学校ベスト20のうちランキング6位に位置している

P8280323 ☆このことは、10年間教育の質を追求してきた同学園の努力が広く認知されたことを意味している。「イマージョン教育」や「英検まつり」に象徴される受験英語を超える英語教育はその1つだが、もちろんそれだけではないが、ともあれその質の追求こそが、同学園の魅力である。

☆そして、その質は表現されることによって魅力として浸透されていくのだが、江川教頭を中心に、その「学園の質の見える化」を学内外で広めている教師力はますます魅力に磨きをかける。

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今再び学習アドバイザー(LA)育成が必要になる

☆ここのところ学習アドバイザー(LA)について考えているが、10年前に横断知や創造的思考力、批判的思考力を育成あるいはサポートする学習プログラム編集が必要とされかかった歴史的な経緯がLAの必要性を生んだのである。

☆ゆとり教育の総合学習の時間が表層的に受けとめられ、目新しいということもあって、LAに興味をもたれたということもある。しかし、本当は、89年のベルリンの壁崩壊と冷戦瓦解、IT革命、脳科学がもたらした学習の理論の世界的なパラダイムシフトが根っこにある。その根から創造的資本主義とかクリエイティブクラスとか産業構造の転換が生まれている。

☆しかし、そんなことには興味はもたれなかった。売れるかどうか流行するかどうかわかりやすいかどうか、つまり大きな物語が失われた時代にあって、LAの正当な評価はくだされなかった。10年の間に、LAは教師のヘルパーという位置づけになってしまている。教育現場での気づかない階層構造に包含されてしまったわけだ。

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僕らは悩む 迷う 何度も自分に問いかける 子どもも同じ

SEAMOの歌う“不景気なんてぶっとばせ!!”が、世界最大のレースINDY500を頂点とし、唯一アジアで開催される「INDY JAPAN」(9/19にツインリンクもてぎで開催)の ラジオプログラム「INDY JAPAN RADIO」のテーマソングになったようだ。

☆SEAMOといえば、最近“MY ANSWER”にはまっている。

今、出来なくても 焦らないで 慌てないで
君のマイペースで 自分信じて ゆっくり行けばいい

この世は一筋縄では いかない それは何故なら
神様が作った テストだから難しいんだ
文系?理系?むしろ道徳 君ならこれをどう解く?
これは まるで人生 だから打ち込む真剣に

僕らは悩む 迷う 何度も自分に問いかける
1つじゃない 答え探し がむしゃらに追いかける

・・・・・・・

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今秋 神奈川と東京の新しい合同説明会 私学の存在理由を問いかける

☆今秋、興味深い合同説明会の実験が、神奈川と東京で行われるようだ。

☆9月29日藤沢市民会館で、≪校長32名が語る「私学の強さ」(Netty Land講演会)≫が開催される予定

☆財団法人神奈川県立中学校高等学校協会 理事長で聖光学院中学校高等学校校長の工藤誠一先生が、このイベントの巻頭言でこう語っている。

文部科学省や教育委員会を頂点として組織されている公立学校における教育は、その時々の政治によって大きく左右されるという現実があります。現状のような政治的流動性が懸念されている状況下では、ポピュリズム的かつ思いつきの政策によって公教育が混乱することは必至であります。私は、混迷の時代であるからこそ、時代を超えて建学の精神を堅持しつつ一貫した教育方針をとっている私学に、お子さんを通わせることの意義は大きいと確信しております。

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伸びる学校[055] 立教女学院の魅力[了] 独り言

伸びる学校[054] 立教女学院の魅力[2]のつづき。

P7040112 ☆新校舎の図書室を訪れて驚いた。ここにも立教女学院のミームがあると。この光と空間の雰囲気は、男性中心社会の目線から見れば見えない≪女学生の系譜≫があるなぁと。

☆明治以来、日本の近代官僚社会は男性中心社会であったことは異論はないだろう。そこでは、女性はガラスの箱に飾っておく「永遠の少女」という思いがあったし、今もどこかにそれがあるだろう。

P7040121 ☆しかし、与謝野晶子と親交のあった当時の女子校の創設者らは、全くそんな感覚を度外視していた。むしろ男性や彼らの作る社会にインパクトを与える≪運命の女性≫(ファム・ファタール)輩出の拠点づくりに貢献していたのだと思う。そしてそのミーム≪女学生の系譜≫は今も続いている。。。

☆立教女学院はまさにその拠点の1つだ。

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伸びる学校[054] 立教女学院の魅力[2]

伸びる学校[053] 立教女学院の魅力[1]のつづき。

P7040120 ☆「きっちり勤勉型」の学びと「のびのび発想型」の学びは、実はともすれば矛盾する。それゆえ、統合することなく、どちらか一方に偏るわけだ。これがよくない。「きっちり勤勉型」だけというのは賢い人間は生みだせるが、人間的奥行きが浅くなりがち。

☆「のびのび発想型」も行き過ぎると歯止めがが利かない。過剰な金融資本主義の担い手は、このタイプだっただろう。はじめのうちは機知に富み、いろいろな関係を重視するから頼もしくおもしろい奴だと勘違いする。そのうち、倫理も何も踏み外す。

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伸びる学校[053] 立教女学院の魅力[1]

7月4日、立教女学院で「授業見学会」が行われた。実によいプログラムだった。2,000人弱は訪れていたのではないだろうか。

P7040145 ☆午前中公開された授業では、「きっちり勤勉型」スタイルの学びの姿を見ることができた。そして午後の部活の公開では、躍動感ある「のびのび発想型」スタイルの学びの姿を目にすることができた。

☆訪れた受験生・保護者は、さらにイングリッシュ庭園風の緑あふれる環境と新校舎の合理性と旧校舎の趣に感動しているようだった。また、清楚な私服姿に、好感も持っていたようだ。廊下を歩いているときに、どうしてもそういう話が耳に入ってきたのだ。

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伸びる学校[052] 武蔵野女子学院 [2] キャンパスに埋め込まれている精神

伸びる学校[051] 武蔵野女子学院 [1] のつづき。

武蔵野女子学院のキャンパスに一歩足を踏み入れるや、浄土真宗という世界思想に触れられる。正門からでも北門からでもそれは同じだ。意外と気づかないかもしれないが、大きな書体で聖語が掲げられている。毎月言葉は変わるが、6月は「大いなるものの力にひかれゆくわが足跡のおぼつかなしや」。

☆自分の力ではどうしようもないことも、大きな力にひかれてなんとかやっている自分をふりかえっているシーンであろうか。他力本願という生かされている自分を見つめる聖語なのだろう。

☆それから広いキャンパスであるから、正門からだと一本道を歩いていくことになる。その両サイドには樹木の並木になっている。この時季だと紫陽花が咲いているし、やがてイチョウ並木、そして松に出会う。

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伸びる学校[051] 武蔵野女子学院 [1]

☆6月27日(土)、武蔵野女子学院で、学校説明会が開かれた。そのとき、「外から見た武蔵野女子学院」というテーマで、一時間ほど話をした。私では役不足であったかもしれぬが、受験生は最後まで真剣に耳を傾けてくれ、しかもときどきこちらからの質問にも応えてくれて、励ます側が逆に大いに励まされた。

☆1つの学校について1時間じっくり話をするという機会は意外と少ない。多くの学校の事例を矢継ぎ早に話すのが通例だ。それに第一、学校説明会でも校長先生が1時間話すということは最近はない。身の程知らずと言われてもしかたがないことをしてしまった。

☆そんなわけで、1つの学校について、1時間話すことが可能なのかどうか、チェックを入れてもらう意味で、思い出して記録しておくことは無駄ではないだろう。

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伸びる学校[050] 八雲学園の開放的な姿勢

☆本日29日9時から12時まで、八雲学園は学校見学会を行っている。11時に私が学校をさったときには100組を超えていたので、もっと多くの受験生・保護者が訪れていることだろう。

P6290100 ☆この学校見学会は、訪れた保護者といっしょに教員が学校内を縦横無尽に歩きながら、授業を見たり、質問に回答したりするシンプルな会である。

☆この時期まで、いわゆる学校説明会はまだ行わない。あくまでも学校説明会は9月から始まる。

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伸びる学校[049] 聖学院の挑戦

P6250096 ☆昨日25日、聖学院の学校説明会が行われた。山口校長先生から聖学院の精神、平方校務部長からは、校長の話をうけて、その理念が浸透している聖学院の教育について話された。そしてさらに教育改革としての入試改革が謳われた。

☆10時20分から行われ、12時15分ぐらいまで実施されたが、その後14時まで、多くの保護者が聖学院の先生方と個別に熱心に話をされていた。

☆いつもだと、これで学校説明会としては大成功だったと思うが、実は山口先生と平方先生の話の後で、「外から見た聖学院」というテーマで、外部シンクタンク4名によるクロストークが挿入された。

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進むベネッセ進学指導支援戦略①

☆今月21日(日)、國學院久我山で、東大生20名による「文理選択相談カフェ」開催。対象は中高一貫校の高1生50名限定・有料。数校の私学の生徒が参加する予定。

☆仕掛け人はベネッセコーポレーション。世の中のキャリア・デザインでは、ビジョンやベクトルを考えるうえでは役に立つが、実際の生徒の進路の悩みに答えられないということに気づいた。

☆文理選択の際に、生徒側に文系とは何か、理系とは何かという情報が不足しすぎている。また、自分の実力をどのように評価するのか自信がない。このような情報の不足が不安に通じているということについて、進研模試の結果分析について学校の先生方や生徒たちと話し合っているうちに気づいたということのようだ。

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OECD/PISAレポート シングルスクールの重要性浮上か?

☆先月26日に、八雲学園の横山先生と聖学院の平方先生は、「女子校と男子校の本質」について、クロストークをした。その日のOECDのサイトでも、中等教育時代の女子と男子とでは、そのパフォーマンス(ほぼ学力のこと)、性格などについて違うことが明らかになり、この違いを無視する「ジェンダーブラインド」の状態から脱しなければならないというレポートが公開された。

☆そのレポートは“Equally prepared for life? HOW 15-YEAR-OLD BOYS AND GIRLS PERFORM IN SCHOOLProgramme”で、OECDのサイトからもダウンロードできる。

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伸びる学校[048] 聖ドミニコ学園の変化の秘密

☆本日11日、聖ドミニコ学園は創立55周年記念感謝ミサを行った。55年前といえば戦後であり、食べ物のなかった時代。あたかも無から民主主義国家を作り上げるかのような戦争の痕跡地からの出発だった。

☆5人のメール(シスターのこと)からスタートしたが、あれから55年、日本社会はなんて豊かになったのだろう。しかし、戦後の精神文化革命をと2人のシゲル(吉田茂と南原繁)を中心とするクリスチャン人脈が高らかに謳っていたことは、未だ実現していない。

P6110135 ☆いやむしろ後退している可能性がある。武田学園長は、聖ドミニコ学園の生徒に、その実現の松明の光を消さないように、世界の痛みを感じ、少しでも役に立つ生き方をするように祈った。

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なんかおかしいぞキャリア・デザイン

☆キャリア・ガイダンスやキャリア・デザインの活動は大隆盛。「13歳のハローワーク」の流れに乗って、学校も企業も、働く生きがい、生き生きした組織に目が釘付けだ。著書村上龍さんが司会をやっているカンブリア宮殿は、興味深いが、あんなに人を活かす組織、生きがいのある仕事というところにのみオチがある番組は、少し変ではないかな・・・と思わずにはいられない。

☆カンブリア宮殿に限らず、キャリアガイダンス関連誌はみな同じトーンだ。知識としてはR25もおもしろいが、やはり同じ。考えてみれば日経新聞やリクルートの系列だからやむを得ないかぁー・・・と萎える今日このごろ。

☆そんなとき、左腕のカメラマン林建次さんに会った。23歳の時交通事故で、右手の機能を失った。普通ならというか、キャリア・デザインに従うならば、右手の機能を失っても苦労をしない仕事を見つけ、そこの仲間に励まされ、仕事に生きがいをみつけるとなるはず。

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伸びる学校[047] カリタス女子 改革の歩みをとめないカトリック校 ④

カリタス女子の教育といえば、教科教室型運営方式とか、理数教育とか、書かせるカリタス、2つの外国語教育とかすぐに思い浮かぶわけであるが、たとえば、教科教室型運営方式の空間を見るとわかるが、それらの根底には「庭園発想」「先端技術」「対話思考」の三位一体がある。

P6040027 ☆庭園とは自然のメタファーであり、それはまた生態系という循環つまりキリスト教的には「ぶどうの木の樹液」のメタファーである。つまりはワイン。ということは庭園は瞑想の小宇宙でもあるわけである。特に日本の庭園は19世紀末から世界を席巻し、ユートピア都市建設のプロットタイプになった。まさにユートピアのアイデアのルーツである。ユートピア都市は総合芸術そのものでもあり、科学の粋の結晶でもある。回遊式庭園は、思索の道でもある。もちろん、知恵のリンゴのメタファーでもある。この葛藤は成長には欠かせない。カリタスの空間はそういう庭園空間。

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伸びる学校[046] カリタス女子 改革の歩みをとめないカトリック校 ③

P6040103カリタス女子の教育の特色に「書かせるカリタス」というプログラムがある。国語教育における読書感想文や小論文指導以外に、各教科のレポートもあるが、中3時の卒業論文が大きな創造的作業となっているようだ。

☆このプログラムの拠点は、図書館。入口から入るとパッーと広がる広場。そこに図書館と和室と中庭が集合している。ランチタイムになると、中庭で食事をとっているP6040127生徒たちの姿や図書室で読書したり調べ物をしている生徒たちの姿であふれる。

☆カリタス自身も、学校の中心は図書館であるというコンセプトで新校舎をデザインしたという。

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伸びる学校[045] カリタス女子 改革の歩みをとめないカトリック校 ②

P6040049カリタス女子の教育の特色の1つは、「教科教室型運営方式」。生徒たちは高2までは、いわゆる自分のクラスルームを持たない。ホームベースというロッカースペースの隣りの部屋をホームルームなどのスペースとして使用するが、それ以外は、生徒自らが授業の教科教室へ行くことになる。

P6040087 ☆各教科の教室は、「教科ゾーン」としてまとまっている。教科ゾーンでは、広い廊下に生徒の調べたことなどが展示されている。また、どの教科ゾーンにもセンターがあって、展示物やパソコンで調べたりすることができるスペースになっている。

P6040061

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伸びる学校[044] カリタス女子 改革の歩みをとめないカトリック校 ①

☆今年校長に就任した齊藤哲郎先生は、村井前校長のもとで6年間副校長を務め、カリタス女子の多面的な改革を推進してきた。本日6月4日の教育関係者対象の学校説明会で、まだまだ改革の歩みをとめないことを静かな情熱をこめて宣言した。

P6040039 ☆そして「かかわり」を大切にしたいと。経済を基盤とした競争原理社会は、個人の才能が基本だが、ともすると自由という美名のもとに個人主義が横行し、多くの人が生きづらいところにおいやられる危うさもあり、共同体が形成しにくい面がある。失われがちな人と人とのかかわりを子どもたちといっしょに大切にしていきたいと柔らかい口調だったが、カトリック精神に基づいた真理を語られた。

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伸びる学校[043] 武蔵中のアカデミズム⑤

☆5月30日の武蔵の学校説明会で話された数学科の教育方針も「自調自考」が染み渡っていた。本当に徹底している。

☆特別なことはやっていないが、どの単元をどの時期に行うかなどの話し合いは数学科ではよくやっている。結局、数学というのは、こうやって解けばいいというのはない。生徒が理解しようと考える以外にないわけだが、その考えている中に教師がはいりきれるものではない。解は行きつくところはいっしょなのだが、思考の過程は多様だし、その中からどの道を選択するかは生徒なんだということだろう。

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伸びる学校[042] 武蔵中のアカデミズム④

☆5月30日の武蔵の学校説明会では、各教科からの話もあった。国語科からは、国語の保守本道の話を聞けた。

☆武蔵の国語の授業では、テキストは原典主義であるということである。旧かな遣いの小説はそのままの原典を使うというのであろう。

☆教科書や最近の学習参考書の傾向はわかりやすいものの提供。

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伸びる学校[041] 武蔵中のアカデミズム③

☆5月30日の武蔵の学校説明会で、山﨑校長は行事の特徴についても語った。もう想定されるように、ここにも「自調自考」が浸透しているということ。

☆数多くある行事の中で、体育祭、記念祭、強歩大会は格別だそうだ。企画や構想はすべて生徒で行うからだ。もちろん、教師は事故に合わないように危機管理のバックアップに集中する。

☆「自調自考」は何も勉強だけではなく、イベントを企画するところでも役に立つのは当然だが、ここで大事なことは生徒同士のコミュニケーションと試行錯誤の環境があるということなのである。

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伸びる学校[040] 武蔵中のアカデミズム②

☆5月30日の武蔵中学校説明会で、山﨑校長は日本の教育を批判しつつ、その解決策をさりげなく語った。

☆日本の教育においてリベラルアーツがうまく機能しないのは、大学入試制度に問題があると指摘。与えられた問題に対応する解答パターンを当てはめれば合格できる問題を出題している限り、リベラルアーツをやっても効果がないと水は低きに流れるものだというのだろう。

☆しかし、武蔵はそいう時流や問題や解答を鵜呑みにせずに、出る杭を伸ばす「本物教育」つまりリベラルアーツを貫くのだと。

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伸びる学校[039] 武蔵中のアカデミズム①

☆昨日5月30日、武蔵中学校説明会を開催。山﨑校長は、武蔵の三理想をベースにした教育の取り組みを静かにしかし熱っぽく語った。

☆その際に、武蔵の教育を表現するキーワードとして「アカデミズム」「リベラルアーツ」「鵜呑みにしない」「本物教育」「好奇心」を使用していた。

☆中でも「鵜呑みにしない」は校長のみならず、各教科の教師も多用していた。近代科学のアイロニーの伝統が武蔵には息づいているということだろう。

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伸びる学校[038] 小野学園女子の先進性

Dsc05830小野学園女子の教育プログラムと広報戦略は、時代の先を行きすぎている。やがて、時代が追いついたとき、一気呵成に飛躍するだろう。まさにロングテール論だ。

☆ともかく、教育プログラムも広報戦略も脳科学の成果を取り入れている。教育プログラムでいえば、サイエンスをベースにカリキュラムを形成しているところがそうだ。

☆「仮説」→「実験」→「課題」→「実験の再構築」→「検証」→「問題解決」という一連の流れの定着をねらっているのだろう。これは何も理科に限ったことではなく、どの教科でも同じような思考過程を通過する。つまり、小野学園女子は理科教育を超えてあらゆる教科、あらゆる行事などで、「科学する」目を養っているのである。いずれにしてもこの過程は、右脳も左脳も両方活用する。

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伸びる学校[037] 芝の遵法自治の現代性

の校訓と言えば「遵法自治」。中学受験関係者の多くの人が口をついて言えるぐらい有名。

☆助川校長先生は、様々なところで「『遵法自治』とは、真理に従い、自らを治めるという意味です。人はそれぞれ、この世でかけがえのない大切な存在です。その大切な自分を生かすためには、まず他者を生かすように自己を律していかねばならないということです」と語られる。

☆遵法という真理は人はかけがえのない存在だということとそのかけがえのない他者とつながっているということなのだろう。そのかけがえのない関係性の中に自分を投げ込むということが自治ということだと思う。

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伸びる学校[036] 変わるかえつ有明

☆「伸びる学校[013] かえつ有明のさらなる挑戦」で、かえつ有明が内生的成長段階に突入していると述べたが、本日(27日)の教育関係者説明会で、それが具体的に明らかになった。

☆成長し続けている在校生と新しく入学してくる生徒は、学力や精神の強度が違う。したがって、柔軟に生徒の成長の違いに対応するようにカリキュラムをつくっている。それがまた同校の教育の信頼性と妥当性の両方の質を向上させる結果に結び付いている。

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伸びる学校[035] 武相の進路指導

☆本日25日、武相は、「大学・専門学校相談会」を開催。70校以上が参加した。アドミッションオフィサーばかりでなはなく、教授陣もブースで熱心にプレゼンしていた。また武相の卒業生がアドミッションオフィサーとなって説明しに来ていた大学もあった。

Dsc05600 ☆生徒たちからは、「遠くから参加している大学もあり、一日でいろいろな大学の情報を得られるので、とてもよいイベントだと思う」と高い評価を得ているようだ。

☆実際に説明を聴いて、この大学に行きたくなりましたと素直に感想を抱いている生徒もいたし、今の偏差値では難しいかもしれないが、がんばってみようかと思うとモチベーションを上げた生徒もいた。

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伸びる学校[034] 変わる共立女子

共立女子は、完全中高一貫体制になって4年目。中学で学んできたことと、高校で学ぶことの効果的な接続の実践が本格的に始まる。中学ではリベラルアーツ的な学びを十全にやってきているので、高校からはそれをベースにより学際的な知を学び、同時に大学受験にむけて技術的な準備もしっかりしていくというカリキュラムやシラバスの流れが明確になってきたように思える。

☆昨年まで高校では、大型論文指導をていねいにやってきたが、それはある意味完全一貫ではなかったので、リベラルアーツ的な要素を高校1年までは延長して、スタートをそろえるという意味もあったのかもしれない。

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伸びる学校[033] 武蔵野女子学院の底力

☆本日23日、武蔵野女子学院の学校説明会が開催された。説明会としては、今年2回目。今までになく早い時期から説明会をおこなっている。

☆新校舎も建ったし、何かが変わろうとしているということだろう。それが何であるかは、毎回説明会のテーマが違うので、一年かけてその輪郭がはっきりしてくると思う。

☆ただ、せっかちにも予想するには、ブッディズムこそ日本の社会が変わるライフシステムの原型であることを前面にだしてくるのではないだろうか。

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伸びる学校[032] 変わる聖学院

☆今春の首都圏中学入試において、聖学院に限らず、男子校は苦戦した。女子校から共学校になった私学の勢いにおされたからだ。

☆中高という思春期において、男子と女子と成長の速度や質感が違うにもかかわらず、共学校を選ぶと、中学時代は男子は女子の成長ぶりにかなわない。シングルスクールの良さはこの男子と女子の成長差によるマイナス影響を回避できるところにあった。

☆しかし、成功しているかどうかまだ未知数ではあるが、その心配や不安をなんとか払拭しようという共学校の表現に保護者が魅力を感じているのも否めない。

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伸びる学校[031] 変わる女子聖学院

☆本日(090521)、女子聖学院と聖学院は合同で教育関係者対象説明会を開催。女子も男子も、大きく変化した教育力について高らかにアピールした。まずは女子聖学院から変化した点を紹介しよう。

1)新中1は1クラス増の6クラス体制でスタート。

2)新校舎は物理的空間から精神的空間に変容。

3)今春の大学合格実績の飛躍。

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伸びる学校[030] 立正中学 行学二道の現代性

今年5月8日に開催された「夢限大」(私立中学合同説明会で配布された資料は、参加校の教育のエッセンスや卒業生・保護者の声が載っている。

☆教育システムとコミュニケーションの両側面が載っているわけだ。表現というのはちょっといや実にコワイ。というのは、システムとコミュニケーションのカップリングができているところとディカップリングなところの差異が明確だからである。

☆システムの話だけが載っているが、コミュニケーションとシステムがうまくつながっていることを、生徒や保護者の声を介さずにストレートに表現しているところもあるし、システムの表現だけでおわっているところもある。

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伸びる学校[029] 東京女子学園 女学生の系譜

今年5月8日に開催された「夢限大」(私立中学合同説明会のパネルディスカッションで、東京女子学園の卒業生もパネラーとして語ったが、世田谷学園、桐光学園男子部の卒業生とは全く違う雰囲気を放っていた。

☆思想や理念は違っても、男子校の卒業生は、自己を乗り越えるというスタンドポイントに立っていた点では共通していた。

☆ところが、東京女子学園の卒業生は、校長との良好な関係や文化祭の時の教師と生徒たちとの一体感など、他者とのかかわりをいかに可能にするかというスタンドポイントに立って語っていたのだ。

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伸びる学校[028] 桐光学園の科学性

今年5月8日に開催された「夢限大」(私立中学合同説明会のパネルディスカッションで、桐光学園の卒業生もパネラーとして語った。世田谷学園の卒業生が心の深さという哲学的・宗教的雰囲気を出していたのとは、対照的にちょっとした実用的な出来事の日常的な見方を転換させるプラグマティックなパラダイムを快活に披露していた。

☆ブッディズムとプラグマティズムの教育理念の差異がそのまま表れたということなのかもしれない。

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伸びる学校[027] 世田谷学園の思考力

今年5月8日に開催された「夢限大」(私立中学合同説明会のパネルディスカッションで、世田谷学園の卒業生がパネラーとして静かな情熱をもって語った。同学園は2001年に授業の大改革を行った。

☆講義型と演習型、あるいは講義型と議論型の融合がはかられたと理解しているが、要は当時の校長故山本先生が熱く語っていたのは考える授業であったと思う。

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伸びる学校[026] 聖園女学院の教育イノベーション

聖園女学院はカトリック学校の中で、もっとも学びのプログラムを見える化している学校。毎年新しいプログラムを開発導入している。

☆今年も4月30日に、新プログラムを実施した。進路指導特別講座の一環としての「サイエンス・コミュニケーション・プログラム~今の世界・将来の世界」というプログラムである。

☆進路指導というからには、高校生対象かと思ったが、実は入学したばかりの中1全員がはやくも参加している。もちろん高校3年生も希望者が参加している。

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なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[了]

なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[4]のつづき

☆「33校の徹底比較」の「④学校自慢」について、グラフのようにまとめてみた。ここのページは、学校の個性が最も表れるところで、クラブ、創造学習、ボランティア、施設、国際交流、学習システム、ランチ、 礼法、 英語教育とカテゴリー分けしても多彩。

09 ☆傾向が拡散してしまうので、少し強引だが、「学び」「施設」「クラブ」「ランチ」の4つにまとめてみた。

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なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[4]

なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[3]のつづき。

09 ☆「33校の徹底比較」の「③一番の学校行事」について、グラフのようにまとめてみた。やはり受験生・保護者が最も注目する学園祭が多い。受験生は、説明会よりも学園祭で選択する場合の方が多いかもしれない。

☆そして英語教育の華、海外研修。新型インフルエンザやテロの打撃をのりこえて運営し続ける先生方の心痛やリスクマネジメントの苦労が、支えている行事だけに、その特徴は多様。

☆それから、大変ユニークなプレゼン行事が、これまた多い。発表会ではなく、そのリサーチや編集のプログラムが重要な行事である。創造型学習というカテゴリーでまとめた。

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なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[3]

なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[2]のつづき

☆「33校の徹底比較」の「②本校生徒が語る制服自慢」について、グラフのようにまとめてみた。

09_2 ☆これも33校の生徒の表現は多様なので、5つにカテゴライズした。「チェックのスカートがお気に入り」というようなデザインに関してコメントしている生徒が多かった。1つのコメントの中に組み合わせて着ることができるという「コーディネート」が自分らしさをつくるとか、「伝統」の意味をおさえているものもあり、その場合は複数のカテゴリーに数えた。

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なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[2]

なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[1]のつづき

☆前回ご紹介した「33校の徹底比較」の「①学校で一番すてきな場所」について、グラフのようにまとめてみた。

09 ☆33校が自ら選ぶすてきな教育空間は33箇所あるので、それは資料を見ていただくこととして、グラフのように項目を絞ってみた。

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なぜ女子校は元気なのか~女子中合同相談会で気づく[1]

☆昨日11日、渋谷セルリアンタワーで、33校の女子校が協力して、第12回東京私立女子中学校合同相談会を開催された。会の特徴などについては、トリニティ教育研究所のニュース「第12回東京私立女子中学校合同相談会開催」をご覧いただくことにして、ここでは当日配布された資料を見て気づいたことについてコメントしたい。

☆この資料は画期的。この相談会は、5月17日には所沢で、6月20日には浦和でも行われるので、ぜひ入試したい逸品である。

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男子校復権の可能性は大~「夢限大」で気づく

5月8日、大井町のイベントホール・きゅりあんで、私立学校18校による合同説明会「夢限大」が開催された。

☆プログラムの中に、教師、卒業生、保護者9人よるパネルディスカッションがあったが、これが実におもしろかった。いくつか気づくことがあったが、その中で、今春の中学入試で男子校が思うように生徒募集の人数を伸ばせなかった理由が1つわかった。理由がわかれば巻き返せるだろう。

09 (*)グラフは、今春の首都圏の中学入試の生徒募集総数の前年対比を、共学校、女子校、男子校別(リサーチ校数は合わせて300校)にだし、かつ対比レンジ別に分布がわかるようにした。男子校は、前年対比100%未満が56.6%で不調。その分は共学校に吸収されたとみなされているようだ。

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伸びる学校[025] 武相 ハートは何より大切なんだ

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☆昨日開催された神奈川私立中学相談会で、武相は最もピュアで得難い学園生活を表現した。大人になると忘却してしまう想像力やはにかみながらも思い切って楽しむ青春時代。しかし、そのハートが何より大切なんだ!と。

☆図書部とビジネス部の部員は、先生方と低学年の子どもたちも巻き込んで、「横浜開港150周年ウルトラクイズ」を企画・演出した。

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伸びる学校[024] 桐光学園 創造的破壊のステージへ

☆昨日(29日)開催された神奈川私立中学相談会桐光学園のブースの盛り上がりもすごかった。いわゆる学校学校していない。

☆受験知以上の知を備えている教師で混み合っているという雰囲気なのだ。

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伸びる学校[023] 横浜女学院のやさしさリズム

☆昨日(29日)開催された神奈川私立中学相談会の横浜女学院のブースもたくさん受験生・保護者が参加していたが、ちょっと雰囲気が違った。

☆男子校サレジオ学院が、ミニ説明会で多くの受験生にむかってはなしている様子とは対照的なのだ。カトリックとプロテスタントの違いだろうか。いやいや栄光学園もカトリックだが、サレジオとはまた違う。

☆男子校と女子校の違いなのだろうか。いやいやサレジオも武相も男子校だが、これまた違う。

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伸びる学校[022] 横須賀学院の勢い

☆昨日(29日)開催された神奈川私立中学相談会の横須賀学院のブースも黒山の人だかりだった。青山学院との本格的「教育提携」が進んでいるからだろう。

☆横須賀学院と青山学院の教育提携は、横浜山手女子と中央大学の関係とは違い、横須賀学院創設からの関係がすでにあるし、キリスト教精神の一致というところで、歴史的必然があって、自然な動きである。

☆ここまでにくるのに、第一歩は横須賀学院中高と青山学院大学の連携授業の実施から始まった。

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伸びる学校[021] 横浜山手女子の勢い

☆昨日開催された神奈川私立中学相談会横浜山手女子のブースには参加者がたくさん集まっていた。インターナショナル・コースと中央大学との提携交渉の話題が生徒獲得にプラス働いているのだろうと思いながら素通りしたら、アン先生に声をかけられた。

☆互いに久しぶりだったので、少し立ち話をしてしまった。アン先生は、インターナショナル・コースのIBのプログラム作成のリーダー。なのに学校案内を配布していたのだった。

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伸びる学校[020] 栄光学園の普遍と変質

☆29日パシフィコ横浜で、神奈川県私立中学相談会が開催された。多くの参加者が押し寄せていたので、先生方と話をする時間はそうなかった。しかしかえって瞬間的に投げかけられる言葉には真理があるものである。

☆今、ここで、最重要なメッセージを投じていただけるのだ。栄光の場合もそうだった。

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伸びる学校[019] 海陽学園の変質

☆本日、品川で、海陽学園の東京説明会が開催。午前、午後2回行われ、両方合わせて70組ぐらい参加したようだ(午後しか参加していないので、知人からの伝聞)。

☆新校長が就任したので、どこか変わるかもしれないと思って参加してみたが、校長の交代による変化というよりも、副校長を中心に現場で毎日24時間体制で教育に3年間取り組んできた結果、かなり質的変化があったのだなと感じた。

☆ハウスという寮生活をベースに教育を実践しているところを除けば、がんばっている東京のデイスクールと変わりはない。大学などの見識者を呼んで、特別講義を年11回やっているというのも、麻布や栄光、桐光でもやっていることだ。

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伸びる学校[018] 八雲学園 一期一会のn乗

☆立川で開催された「春一番、合同説明会」で、八雲学園の中学部長横山先生にお会いした。近年中学入試の生徒募集において不動の人気を獲得しているのだから、多摩エリアまで足を運ぶことはないのではないかと尋ねてみた。

☆すると、「まだまだ八雲学園の名前が遠くにまで浸透していませんし、一人でも学園の教育について知りたいという方がいらっしゃれば、飛んでいくんですよ」と、おもてなしの心構えを語られた。もっとも八雲学園のブースに並ぶのは一人どころではない。

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伸びる学校[017] 鴎友徒然草

☆立川で開催された「春一番、合同説明会」で、鴎友学園女子の教頭吉野先生にお会いした。忙しい中なので、瞬間的な問答だったが、その刹那に同校サイトに掲載されている「鴎友徒然草」についてコメントがあった。

☆「このページは価値中立的に書いてあるんですよ」と。マックス・ウェーバーの文献をはじめとして社会学を極めてきた吉野先生らしいメッセージだなと感じた。

☆おそらく、浅薄なものの見方をする私だから、「文章は価値中立だけれど、その背景にある重要な価値についても考えてくださいね」と諭されたのだろう。

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伸びる学校[016] 武相の教育の奥深さ

Photo ☆9月以降、武相は、受験生のために、ついに理科と社会の画期的な体験授業を公する。あまりの人気がゆえに、予約制。

☆このことは何を意味するのか。まず9月までにじっくり準備をするということ。これによって、ふだんの授業の準備も日ごろからていねいに準備がなされていることが想像できる。なにせまじめな先生が多く、実態以上の誇張宣伝をしない学校であるから、これはまず間違いない。

☆それからテーマがいいですねえ!分類・整理力、想像力、思考力という科学的ものの見方をストレートに養うものばかり。創設者が科学者だったというその精神がそのまま活かされている。

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伸びる学校[015] 白梅学園清修の内生的進化

☆先週教務部長の鈴木先生と少しだけ話すチャンスがあった。この時期、私はすぐに、新しい戦略は何ですかと聞いてしまう癖があるので、うちは企業じゃないですよとやんわり牽制されてしまった。

☆4期生を迎えたばかりで、創設当初の構想がまだ閉じていない。構想をきっちり実行するのが当面の目標ですよと。

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伸びる学校[014] 獨協中学のビジョン 了

伸びる学校[011] 獨協中学のビジョン④のつづき。

Dsc08011獨協中学は、現校長永井伸一先生の時代からビジョンの脱構築が行われ、それに従って教育も実践されているようである。その象徴の一つがビオトープ。夏には蛍が飛ぶまでに生態系は成長している。

☆小さな庭園に自然の循環とそこに太陽光発電の装置をプラスすることで、自然と科学の横断知が生まれる。永井校長は、新サイトでこう語っている。

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赤毛のアンと私学の系譜と茂木健一郎さん②

赤毛のアンと私学の系譜と茂木健一郎さんのつづき。

☆茂木健一郎さんは、本書のいろいろな箇所で、小学校5年生のころ(今もそうかもしれません)の自分と赤毛のアンのキャラクターを重ね合わせていますが、その重ね合わせの表現が、一般化の媒介をはたしているところがあります。

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伸びる学校[013] かえつ有明のさらなる挑戦

かえつ有明の石川教頭の話をうかがっていて、今年もかえつ有明は内生的成長を果たすと確信した。

☆何か新しいイベントやるとか新しいプログラムを導入するとか、そういう外発型の戦略の話ではなく、学内の多様な質の転換の話がいっぱいだった。

☆10年、20年後のかえつ有明をリードしている教師の育成について、つまり人財のタレントを伸ばしていく仕掛けの話だったり、東大を中心に変化していく学びの理論をいかに先取りするかという話題であったり・・・。要するに人を大切に育てていくプランが中心であった。

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伸びる学校[012] 中村シティー

P1000054 ☆「伸びる学校003」で、私学人としてのヴォーリズの教育は1つの私学の有効なモデルだと紹介した。学校の運営だけではなく、運営するための資金を回収するために、起業や建築を行い、近江八幡市という街をヴォーリズシティとしてデザインしていった。そして世界へ平和と愛を発信する拠点にしようとした。

☆私学人のなせるワザとは、教育という小さな命を預かることからはじまり最終的には世界にまでその思いと行いが広がるものなのだ。

☆清澄庭園の前に位置する中村学園も、今年100年を迎えるが、その歴史はヴォーリズの歩んだ軌跡―それを同学園はフェニックスと呼ぶのだが―に似ている。

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赤毛のアンと私学の系譜と茂木健一郎さん

Photo ☆茂木健一郎さんによる「赤毛のアンに学ぶ幸福になる方法」(講談社文庫2008年12月)が、昨年末に出版されていた。

☆おもしろそうだなと気にしつつも、NHKのプロフェッショナルなどで話している茂木健一郎さんを見ているし、「欲望する脳」(集英社新書2007年)をめずらしく真剣に読んでいたこともあって、手に取ることはなかった。

☆しかし、「希望学」という本を読んで、希望と幸福の違いみたいなものを問いかけられたような気がして、そういえば茂木さんが「幸福」について書いていたなと思いだし、手に取ってみた。

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伸びる学校[011] 獨協中学のビジョン④

Dsc07994 ☆前回「伸びる学校[010] 獨協中学のビジョン③」まで、戦後獨協学園のビジョンを定めてきた天野貞祐のものの見方や考え方が脱構築されながらも、生徒に継承されている論文などを見てきた。

☆そして、今回教頭笠井先生から、貴重な資料を送っていただくことによって、ますます連綿と続く天野イズムがあることが確認できた。

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伸びる学校[010] 獨協中学のビジョン③

伸びる学校[008] 獨協中学のビジョン②のつづき。

☆「WORKS(08年15号)」には、まだまだ興味深い論文が掲載されている。中学3年の研究論文「難民支援とは」もその1つ。

☆ボストンに留学したり、イランの元外交である難民の方とのインタビューをしたりしながら、難民を救うさざまな機関を調べている。

☆そして将来自分も世界の困っている人を救える仕事に就きたいと意志を固めている。

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伸びる学校[009] 共立女子のイノベーション

☆共立女子は完全中高一貫校にシステム変更してから4年目を迎える。新校舎、シラバス、クラスの人数など様々なリフォメーションを行ってきたが、完全中高一貫の中学卒業一期生が高校にあがる今年、さらに教育イノベーションを行うようだ。

☆全貌はまだわからないが、まずは3月13日にPTA中学広報部によって発行された「沈丁花」を見て驚いた。

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伸びる学校[008] 獨協中学のビジョン②

Photo ☆獨協の新たなビジョンは、天野貞祐の思想の脱構築。しかし、これは否定して廃棄するということではない。天野流儀のカントのものの見方を現代に生かすということだろう。

☆さてそれはどのようにして?それを知る手がかりは、毎年発刊されている「WORKS」という論集。各教科で生徒たちは様々な論文を編集している。その中の傑作を選択して掲載している。その意味では麻布学園で発行している「論集」に似ている。

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伸びる学校[006] 獨協中学のビジョン①

☆獨協中学は、戦後教育に大きな影響を与えた天野貞祐が校長を務めていた学校である。天野貞祐の人脈や思想的なバックボーンについては、広く深いので筆者の力ではまとめきれない。今後の課題としたい。

☆獨協中学についてもその成立から戦後のパラダイムシフトに至るまでの歴史は非常に豊かな文脈が隠れていて、≪私学の系譜≫を探究するうえで重要な位置を占めている。日本の近代教育の研究においても貴重な存在である。

☆その重要性があまりにも大きすぎて、どこから入っていけばよいのかわからないが、まずは今回、図書室を見せていただいた。

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伸びる学校[004] 堀川高校の飛躍のひみつ

☆近江八幡からもどってくるとき、京都市立堀川高校に一瞬立ち寄った。なるほどスタッフの方の対応のすばらしさは予想通り。ビッグボックスもイメージとは違ったが、渋谷教育学園幕張や市川学園のようだ。一階のカフェテリアもおしゃれ。

☆それはともかく、良し悪しは別として、堀川高校の大学実績の飛躍は、日本全国から注目を浴び続けている。はたしてその秘密は何か。

07vs08 ☆探究科の設置である。表を見れば一目瞭然。探究科の実績に偏りがある。

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伸びる学校[003] 鴎友・桜美林・聖学院②

☆近江八幡を訪れて実感したことは、ヴォーリズは生涯をこの地にささげたが、この地を、世界に愛と平和の精神を広める拠点としようとしたということである。

☆だから近江兄弟社という株式会社を起業し、お金を溜め、それを教育や医療に注いだ。近江八幡市の多くの住宅や教会などの建築をデザインした。つまり都市のインフラからカルチャまでコーディネートしたのである。近江商人と浄土真宗の文化にどうやって融合できたのか。それはいずれ考察するとして、現在7万人弱の都市は、ヴォーリズ・シティと呼んでもよいかもしれない。

Photo_2 ☆実際ヴォーリズは、平和と愛を見える化するという意図で、中国や韓国のいたるところで建築デザインを手がけている。まさにヴォーリズは近江八幡をここから始まる拠点とし、現実化していったのである。写真は、ヴォーリズがその信念を表すときに描いた記号。

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伸びる学校[002] 鴎友・桜美林・聖学院①

☆鴎友学園女子の校長清水先生、聖学院の校務部長平方先生から、ヴォーリズや近江兄弟社学園のことをよくお聞きする。清水校長からはどっさり資料を頂いたし、平方先生からは一粒社ヴォーリズ事務所の建築家までご紹介していただいたほどだ。

☆にもかかわらず、今までヴォーリズの第二の故郷近江八幡市を訪れたことがなかった。近江八幡について、知らない人はあまりいないかもしれない。東京でもたねやのバームクーヘンは有名だろう。たねやの本店は近江八幡。創設者はヴォーリズの思想にたいへん影響を受けた。そのことは知っていた。

☆それにもかかわらず、訪れたことがなかった。西南学院の先生方は、新校舎建築構想のとき(といってももう10年ぐらい前のことだが)、聖学院の新校舎が一粒社ヴォーリズ事務所によるデザインだと知り、見学および調査に訪れた。

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伸びる学校[001] 武相

☆今年の武相の中学入試募集は、共学校および大学付属校の流れに苦戦した。中学入試は大衆化したといわれて久しいが、その流れがいつの間にか抗い難い大きさになっていたからだ。しかしこの「中学入試の大衆化」の意味はどれくらいとらえ返されてきたのだろうか。おそらく、私立中学校全体で、このリスクヘッジはなされてこなかったかもしれない。

☆せいぜい中学受験率が20%を超えるか超えないかという量の問題でしか気にされてこなかったのではないか。しかし、大衆化とは、量の問題とわかりやすさ、安心・安全の保障、見通しのよさなどの「安定感」をおそらくは意味し、受験市場の原理では顧客満足度という名で広まっていた一大要素の裏の顔であったのかもしれない・・・。

☆共学志向や大学付属を願うのは、やはりこの「安定感」を求める1つの傾向だろう。「安定感」の対極にあるのは「ストイック」「品格」「清貧」などミッション的雰囲気や求道的雰囲気。

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09年クオリティスクールを求めて 06 論文編集力

09年クオリティスクールを求めて 05 イノベーション <2>」のつづき。

☆12のアイテムのうち「(4) 本格的論文編集指導力」のスコアが4以上の学校を紹介しよう。私立学校であれば、大学入試に出る小論文の指導は十分になされている。しかし、これでは全くの不十分である。またAO入試の指導を行っているところなら、かなりの程度の論文指導はなされている。しかしこれでもなお不十分なのである。

Photo ☆このレベルだと、スコアは3である。大学入試における小論文はやはり選択する側の顔色を見ながら書かねばならない。独創性なるものは、入試においては役に立たない。論理的であることで十分なのであるから。

☆もちろん、これはこれで大事なのである。したたかでなければ、サバイバルすることは到底できない。

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時代が求める学校[06] 聖学院<03> 世界標準の知

時代が求める学校[03] 聖学院<02> 入試問題は学校の顔のつづき

☆「できる子は10歳までに作られる創刊2号」(アスコム:ここでいう「できる」とは芸術作品が「出来る」という意味や、「~できる」という可能性の意味で、偏差値が高いという意味ではない)でも触れたが、聖学院のクオリティスコアは筑波大附属駒場と等しい

☆つまり、東大に行くことだけを目的にしなければ、聖学院で相当高い質の教育を享受できるということ。

前にも紹介したが、T-mind(対話思考、IT技術、庭園発想をつなぐ横断知)に満ちた学校だからだ。

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時代が求める学校[05] 東京女子学園と与謝野晶子

☆年末東京女子学園の資料室を訪れた。創設者代表棚橋一郎先生の創設当時の文章を拝見して改めて驚いた。文言こそ違うが、その精神において、まるで現理事長・校長實吉先生が、語っているかのようだ。

☆それにしても私学の歴史とその当時の文部行政がそのまま残っている資料室で、大変貴重な空間である。

☆初代校長棚橋絢子先生はずっと歌を詠んでいたが、その理由もわかった。与謝野晶子と親交があったのである。だがしかし、この交流は極めて重要で、現代的なデキゴトであった。

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≪私学の系譜≫はT-mindの世界

拙著「名門中学の作り方」(学研新書)で、≪私学の系譜≫と≪官学の系譜≫を持ちだしているが、たんに私立学校vs公立学校という比較対照をしているわけではない。

☆≪官学の系譜≫は、明治以来変わらずまだ続いているが、≪私学の系譜≫はその片鱗を見せているだけで、まだ全貌は見えていない。両系譜の葛藤がうまれるたびに、そのつど未来の教育を目指して現れ来たるだけなのである。

Photo ☆大量生産・大量消費・大量移動・格差算出・資源奪取というモダニズムとポストモダニズムの産業社会に適合する人間生産という一つのエポックを切り取った歴史に生まれた≪官学の系譜≫は、教育の一部にすぎない。

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「対話とITと庭園」の発想ベースの私学

☆年末年始にかけて、ふと振り返っていたら、対話とITと庭園の3つのシステムがカップリングすることは、重要であると確信を抱いた。この3つは世界標準の横断知でつながるのだ。

☆こういう発想はどこから生まれてくるのか?それは話すことである。インタビューとかヒアリングとかよく使われる手法だ。また歴史的人物の業績や人脈をたどることである。そうすることで、ロールモデルの構造が見えてくる。

☆この方法は、リーダーシップ論やマーケティング理論、学びのプログラムを組み立てるハーバード大学のハワード・ガードナー教授やクレイトン・クリステンセン教授、MITのC.オットー・シャーマー教授などの常套手段。

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時代が求める学校[04] 品川女子学院 脱ポストモダンか?

品川女子学院は、言うまでもなく、注目校。男性原理、集団主義の近代学校システムを改革し、ポストモダンな学校システムにシフトして成功したモデル校である。

☆このシフトは、大きな物語を必要としない個性の時代に巧くマッチングさせることによって達成したのだと思う。

☆金融教育、起業家プログラム、マーケティングプログラム、海外研修プログラムなどの充実はそれを物語っている。

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時代が求める学校[03] 聖学院<02> 入試問題は学校の顔

時代が求める学校[01] 聖学院<01> 入試問題は学校の顔のつづき。

☆国語科の入試問題の傾向の説明は、含蓄があった。出題の範囲というかカテゴリーについては過去問を見ればすぐにわかる説明。重要な点は、出題する文章には聖学院の国語科としてのメッセージがこめられているという指摘だ。

☆たとえば、2008年の一回目の国語では、カメラマン石川文洋さんの文章が掲載されている。戦争と平和をテーマにしている作家である。出題文章の作家選択にもメッセージが込められている。

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カリスマ英語教師 田尻悟郎先生の授業の意味

☆カリスマ英語教師田尻悟郎先生を知っている人は多いだろう。そのプロフィールはウェブ上で多くの人が語っているし、田尻先生ご自身のサイトにも載っているので、そちらを参照していただきたい。

☆茂木健一郎氏も語っているように、「先生に教えられて学んだものは本物ではない。自分の力でつかんだものしか残らない。教師の仕事は、子ども達の心を開き、やる気をたきつけること。」それが、田尻先生の信念だ。

☆要は学びの好奇心、モチベーションのトリガーが教師の役割ということ。

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時代が求める学校[01] 聖学院<01> 入試問題は学校の顔

☆今聖学院は、多くのメディアに注目されている。聖学院のOBが金融界、メディア・出版界で活躍している時代を迎えているということもあるのかもしれない。しかし、何と言っても、聖学院の教育の質を担う教師一人ひとりの存在だろう。創立102年の奥行きの深さということ。

☆この1世紀を超える歴史が、聖学院における教育のミッションと個々の生き方を統合させることができる多くの教師を輩出してきた。そういう実感を抱かせる説明会が、昨日(08年12月23日)行われた。すでに何回も行われてきたのだが、今年最後の説明会のチャンスだったので訪れた。

☆テーマは、入試傾向の説明と見学会。3回に分けて行われていたが、私は最終の組に参加した。平方教務部長によると、すべての回を合わせると、100組ほどの家族が訪れたそうだ。すでに同じテーマの説明会が行われてきたにもかかわらず、しかもクリスマスイブ直前だというのに、熱心な親子の姿に感動。

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09年クオリティスクールを求めて 05 イノベーション <2>

09年クオリティスクールを求めて 04 イノベーション」のつづき。

Innovation_m_co_2☆イノベーションといっても、いろいろな種類がある。クオリティ―スクールでは、5つの種類のイノベーションを考えている。イノベーションの種類が多いか少ないかは、アイテムスコアには反映させていないが、参考までに一覧表にしておいた。

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09年クオリティスクールを求めて 04 イノベーション

09年クオリティスクールを求めて 03」のつづき

☆クオリティスコアを算出するための12のアイテムのうち、3番目「時代の変化への対応力」のスコア4以上の学校をリストアップしてみる。

☆「時代の変化への対応力」とは、要するに「不易流行」の「流行」の部分の度合の問題である。歴史ある私立学校にとって、教育理念を実践してきたシステムを保守することは重要であるが、新しい考え方や感じ方を、教育理念に基づいてどのように受け入れていくのか、変えるものは変え、変えるべきでないものは変えないという選択判断がきちんととれる組織であるかどうかは重要な学校選択ポイントだろう。

☆特にこの10年間は、社会や時代の変化には目を見張るものがあるだろう。イノベーションは避けられない。

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Benesseの戦略が明快に見える VIEW21(12月号)

☆Benesse教育研究開発センターが発行している「VIEW21(12月号)」をいただいた。サイトでも見ることができるので、ぜひご覧いただきたい。学校関係者だけでなく、特に父親に見てもらいたい情報誌である。

☆この冊子のタイトル「VIEW」というのは、教育のビジョンだけではなく、企業や経済のビジョンも見ていくよというものであるからだ。そしておそらくBenesseコーポレーションの戦略の現実化プロセス(進捗状況)のレポートでもあり、「知識基盤社会」における産業としての教育ビジネスの先進的あり方を知る手がかりになるからだ。

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品川女子学院の内生的成長始まる 漆校長の選択

今日の日経ビジネス・オンラインで、漆校長は「品川女子学院・漆 紫穂子校長の やる気を高め、人を育てる(秘)メソッド 」の執筆を休載することを宣言しています。

☆そこには印象的な文章があります。

組織は生きています。舵を右に切りすぎれば左に問題が起き、常にバランスを取っていかなければなりません。かつて壁を乗り越えたはずの、同じ根っこの問題が、しばらくすると新型のインフルエンザのように形を変えてやってくることもあります。目標も、ここまでということがありません。今見えている一番高い山をやっと登りきったと思ったら、すぐに次の山が見えてきます。ストレートな道をずっと進んでいけるということはなく、螺旋階段を上りながら少しずつ進化していくような感じです。ある経営者が言っていました。「死んでからゆっくり寝る」と。私も同じ心境です。今、教員一人ひとりに1時間ずつ時間をとってもらい、ヒアリングをしています。

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09年クオリティスクールを求めて 03

09年クオリティスクールを求めて 02」のつづき。

☆二つ目のアイテム「 教師の創造的コミュニケーション能力」のスコアは、生徒と対話する言語構造のレベルに合わせてつけている。

☆基本的に生徒の考えていることや感じていることを受け入れ、生徒自らの新しい考え方や感じ方を引き出すコミュニケーションができると創造的コミュニケーション能力のアイテム・スコアは5である。すべての教師がそうである必要はないが、コアメンバーの教師が創造的コミュニケーションを自在に使っている学校が確かにある。

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09年クオリティスクールを求めて 02

09年クオリティスクールを求めて」のつづき。

☆「自己実現プログラム」といった場合、オプション的なプログラムのことを意味しているのではない。6年間一貫の教育全体に影響を与えているプログラムのことを指している。

☆私学の場合は、教科学習、行事、部活、キャリアデザイン、独自のプログラムがたくさんある。それぞれ教師ががんばっていて、コミュニケーションが充実している。しかし、この段階では自己実現プログラムに発展していない。それぞれがシステム化され、そのシステム自体そのつど振り返りがなされ、改善されている必要がある。

☆さらに、このそれぞれのシステムが連動している必要がある。ここまできて「自己実現プログラム」がやっと見えてくる。あとは組織としてその「自己実現プログラム」を積極的に肯定的にマネジメントしているかどうか。

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09年クオリティスクールを求めて

☆今回の金融危機は、動物化したポストモダン、不透明な時代、価値相対主義の時代、大きな物語の喪失時代、不確実な時代などと呼ばれている現在の政治・経済・文化の流れの必然的な結果だと思う。

☆この流れの大局は明治以来変わっていないという認識に立って、この流れをなんとかしようとし続けているのが≪私学の系譜≫であると考えている。

☆この≪私学の系譜≫にしっかり位置している私立学校のことをクオリティスクール(エクセレントスクールも含む広い意味で使ったり、偏差値50以上で分ける場合もある。座標は分けて使っている)と呼んでいる。

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09年中学入試に向けて[98] 私学人のいる学校はチェンジできる

☆誰がなんて言おうと、生徒の幸せのために突き進む私学人としての校長が出現したとき、たとえその時学校が停滞していようが、衰退期に入りかけていようが、死滅期に向かっていようが、必ず立ち直る。

☆そういう私学人というのは生き様が、すさまじい。心身の力がみなぎっている。何よりまっすぐだ。どんなに悩んでいようが、楽観的だ。

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The 授業リンク@考[04]教育の壁をいかにして超えるか ③

Photo ☆第2回「Ths授業リンク」の会(2008年7月3日)で行われた池末先生の授業について、国際教育研究家の岡部憲治さん(写真:白梅学園清修の特別授業で)の丁寧な分析がたいへん参考になります。OECD/PISAの世界標準のモノサシをあてているので、池末先生の今回の授業方法によって、生徒がどういう思考を、どこまでするのか、一つの仮説を立てられます。

☆授業方法のメインであった「カードゲーム」自体は、岡部さんの言うように、PISAの読解リテラシーでいう3つのプロセス「情報の確認」・「テキストの解釈」・「熟考・評価」のうち、「情報の確認」・「テキストの解釈」が中心だったと思います。

☆そして、生徒たちはどこまで考えるのかというと、岡部さんはあえて、述べていませんが、レベル3までです。カードゲームは回答がきちんとでるようになっているからです。しかし、池末先生は授業の中でこの「カードゲーム」をやって終わりにはしないでしょう。

☆岡部さんは、こう述べています。

地球規模の自然現象を身近なものにおきかえて再現・説明するようなテレビ番組や本はけっこうある。が、社会の状態を捉えて身近なものに置きかえ体感させようというのは意外と少ない。そういう意味ではとても効果的な手法だ。

☆「カードゲーム」におけるルールが違うとコミュニケーションができないという体感が、異文化理解や国際社会での合意形成のモデルを再現・説明する置き換えモデルあるいはレトリックだったんだという気づきを生徒たちに議論させたとしたらどうでしょう。

Photo_2 ☆思考のプロセスは、「熟考・評価」にまで広がるし、レベルは5にも6にも深まりますね。ここまで来ると、池末先生ご自身も、私も同じように意識している東浩紀さんの「動物化するポストモダン」や平野啓一郎さんの「決壊」が共有する人間の問題と「カードゲーム」が結びつきます。

☆ハワード・ガードナー教授の「5つの精神」という物語・価値観を喪失してしまった人間の問題性ですね。ルールの背景にあるものです。「カードゲーム」ではルールの違いに気づくだけではなく、ルールの合意形成を一瞬ですがするシーンがあります。スーッと過ぎてしまうので、気づきにくいのですが、その合意形成はいかにして可能なのか?

☆このとき、合意形成の暴力的な方法に紛争・戦争が出てくることがあります。今回の「カードゲーム」には、3つのプロセスとレベル6まで考える可能性を含んだ仕掛けがあるわけです。時間が短かったので、2つのプロセスとレベル3までしか十分には体験できなかったわけですが、プロセスの広がりと、レベルの深まりの端子はきちんとセットされていたと思います。

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The 授業リンク@考[03]教育の壁をいかにして超えるか ②

☆あらゆる分野でコミュニケーションが重要だと叫ばれています。ポスドクの問題も、専門知識はあるけれど、コミュニケーション能力がないよねと言われますよね。エンジニアの問題もクライアントのニーズを汲み取るコミュニケーションが必要だよねと言われています。教師学主催のセミナーでも「教育とコミュニケーション」が行われますね。授業の現場でも、面談でも、コミュニケーションが大事だと言われています。営業マンも顧客満足のためのコミュニケーションを学べと言われています。

☆そして一生懸命にコミュニケーションの方法論やメソッドの研修が行われています。その量は、驚くほど多いのです。しかしながら、コミュニケーションとは何かという研修はほとんど行われません。そりゃ思想になるからとか、難しい抽象的な話になるからとか、お金にならないからとか・・・。

☆こういうことを平気で言えるマネージャーや教授や教師がいる組織では、必ずパワハラ、イジメ、差別・・・などが起きています。コミュニケーションを大事にしているのに、スタッフや生徒のモチベーションは下がり、イジメが伝播し、雰囲気が悪くなります。

☆このような組織で行われているコミュニケーションのレベルといえば、コミュニケーションを双方向にとれるようになれば、それでよい雰囲気がうまれるというレベルですね。配慮や気遣いや思いやりがあればコミュニケーションはうまくいくというレベルですね。ニュートラルでフラットであればコミュニケーションはうまくいくというレベルですね。EQを大事にすればコミュニケーションはうまくいくというレベルですね。

☆しかし、このレベルの組織の問題点は、マネージャーや教師がmentorになっているつもりでいても、tormentorになっている場合が多いということです。このことに気づくには、思想もいるし、難しい抽象的な話も必要なのです。しかも、そのことについて組織メンバー全員で話し合う環境が必要です。

☆J.S.ブルーナーは科学の最前線の考え方は、幼児でもわかるようにカリキュラムを作らねばならないと言っています。これがコミュニケーションの妙技でしょう。思想や難しい抽象的な話を聞いているだけでわかろうとする、でも結局わからないから忌み嫌う。最悪のコミュニケーションですね。

☆コミュニケーションとは互いに問いかけることです。アウトプットとは、解答を言うことではないんですね。自問自答の両方の共有がコミュニケーションです。質問する側―回答する側という関係は、表面的には双方向だけれど、そんな偏向的コミュニケーションが、よい雰囲気を生むはずがありません。教える側―教わる側という関係よりは一歩前進というレベルなだけです。

☆そんなことを考えるトリガーになったのが、池末和幸先生の 「カードゲームを用いた国際理解」というワークショップでした。

*池末先生の講演は、共立女子中学で開催された第2回「Ths授業リンク」の会(2008年7月3日)で行われました。

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The 授業リンク@考[02]教育の壁をいかにして超えるか

☆昨夜(2008年7月3日)共立女子中学で、第2回「Ths授業リンク」の会が開催されました。講師は、同校の池末和幸先生。テーマは< 「カードゲームを用いた国際理解」― 「参加体験型」で授業を活性化 ― >でした。前回予告したとおり、池末先生はなかなかスリリングなプログラムを実行しました。現在の日本の教育の壁を参加者の目の前に映し出し、実感させたのです。

教育の壁について、もともと教員の問題意識は高いようです。たとえば、「教員免許:更新講習で教員の要望 生徒の心「教えて」--山形大学調査 /山形(6月5日13時2分配信 毎日新聞)」によると、

Photo 来年度始まる教員免許更新制度の導入を前に、山形大学教員養成機構運営委員会(渡辺誠一座長)が、更新に必要な講習内容の希望を教員に調査したところ、カウンセリングやいじめ・不登校への対処など「生徒の心理・生徒指導」に関する講習を望む教員が最も多かった。渡辺教授は「現場の教師が直面する問題が浮き彫りになった」と指摘している。・・・全体の4割・427人と最も多くの教員からの要望が「生徒の心理、生徒指導」。・・・免許更新制度導入の文部科学省の狙いは、専門的な教科の知識を最新のものに更新させ、教員に自信を持たせることだった。しかし文科省の想定を裏切る形で、専門知識の向上を図る「教科専門」に関する講習への要望は、156人と全体の1割弱にとどまった。

☆今回の池末先生の「カードゲームを用いた国際理解」のプログラムも、国際理解教育の知識を教える社会科としての専門的なスキルを提案するものではなく、生徒たち1人ひとりの気づきを想起するソクラテス型プログラムでした。そういう意味では問題意識は山形大学の調査と一見重なります。

☆しかし、池末先生のプログラムの重要性は、「生徒の心理・生徒指導」のプロセスや方法論にのみあるのではありません。アイスブレイキングと称して少しご自分の体験を話されましたが、そこにこそ重要な端緒があったのです。

☆プロセスや方法論がどんなに優れていても、出発点が違えば、その成果も違います。純粋理性から出発するのか、純粋欲望から出発するのかでカントとサドの違いが生まれてくるのです。論理的な思考も、出発点となる価値観が違えば、結果は自ずと違うわけです。その出発点とは何か?

☆それが東浩紀さんの「動物化するポストモダン」や平野啓一郎さんの「決壊」が共有する人間の問題です。ハワード・ガードナー教授の「5つの精神」という物語・価値観を喪失する人間の出現ですね。

☆池末先生のプロフィールを見ると、先生ご自身がカトリック学校出身で、青年海外協力隊に参加されています。共立女子の前任校は鹿児島純心です。筋金入りというか、人間をどうとらえるのかというのは、当り前のことになっていると思います。

☆第1回めの「The授業リンク」の講師は松田先生でしたが、両者の先生のプログラムの共通点は、自分の授業の公開でありながら、決して自己満足的な自分ヒストリーを語るのではなく、普遍性があるということです。

☆多くの教師は、プロセスや方法論について、いろいろな手法を取り入れていますから、一見普遍的なのですが、生徒に対する問題意識が、東さんや平野さん、ガードナー教授と共有されていない限り、普遍性はありません。

☆普遍性は抽象的だし難しいから、そんなの関係ない、もっとわかりやすい汎用性の高い方法論を学びたいという一見勤勉な教師の姿勢が教育の壁なのかもしれません。もっとも、にもかかわらず、このような学びを教師が起こすことは、日本の教育において格段の進歩でもあるのです・・・。

☆「The授業リンク」の会長川合正先生から、この会のメンバーも執筆している(川合先生ご自身の論文も掲載されています)著書「自分とも友達ともポジティブ・コミュニケーション~かかわりをトレーニングするワーク&ワークシート」(ほんの森出版2008年)をいただきました。

☆この本を帰り道電車の中で読みながら、川合先生は絶妙のタイミングをセットされたなぁと感じました。「The授業リンク」が越えなければならない教育の壁が投影されていたからです。川合先生の論考の出発点も、常に今の子どもたちの情況に対する危機感の共有から始まっています。だからこそポジティブ・コミュニケーションの探究なのです。

☆しかし、もしこの危機感の共有がなく、効率の良い葛藤のないコミュニケーションのトレーニングのための効果的方法論として活用するだけなら、ポジティブ・コミュニケーションは、実はネガティブ・コミュニケーションになってしまうよという警鐘の本だったのです。

☆池末先生の講演終了後、松田先生(明大明治)や次回の講師梅沢先生(中村中)とも少し対話ができましたが、改めて東浩紀さんや平野啓一郎さんの問題意識をシェアしていることを感じました。生徒のおかれた環境や心的問題、そして社会の問題を生徒とともに考え、いかにしてチェンジしていけるのか。それを社会や数学、理科の授業を通してダイナミックに実践しようと。私はエールを贈ることしかできないのですが・・・。

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The 授業リンク@考[01]

☆私学の先生方を中心に始まった授業の勉強会「CAL」は、私立公立問わず、またマスコミや各教育関連企業も参加できる「The 授業リンク」に発展しました。

第1回めの「The授業リンク」では、講師松田先生のジグソー法の授業体験が行われました。その様子は「The 授業リンク」のホームページで紹介されています。また岡部憲治さんもお節介にもつれづれなるままにコメントを書いています。

☆しかし、まだ本格的に議論が広がっているわけではありません。お得感や教師にとっての効能、各企業におけるお役立ち度については、質疑応答されていますが、松田先生の本意である子どもたちの居場所知の形成については、議論がされませんでした。今後は実践的とか現実的とかいう言葉に惑わされず、実存的な議論が展開されることを期待したいと思います。

第2回目は共立女子の池末和幸先生による体験型授業が行われます。テーマは 「カードゲームを用いた国際理解」― 「参加体験型」で授業を活性化 ― です。興味深いのは、池末先生のメッセージです。「The 授業リンク」が乗り越えなければならない教育の大きな課題=壁が問いかけられているからです。

前任校での話です。私が青年海外協力隊に参加していたことを、どこからか聞きつけて訪ねてきた、ある中学校の先生がいました。要件はというと、中3生が残していった体育館シューズを途上国に贈りたいのだということでした。そこで私はこう答えました。「入学してくる中1生に譲ったらどうでしょう。もちろん、お金は払ってもらってですよ。その代金で途上国の産品を適正価格で買ったらどうでしょうか?」するとその先生は血相を変えて怒り出し、「新入生に中3生のお古とは、とんでもないことだ。私が欲しいのは、途上国にモノを贈ったという証拠の書類なのだ。義援金を銀行に振り込んだだけの振込書では、生徒の励みにならないのです!」私は開いた口がふさがりませんでした。こんなトンチンカンな話は山とあります。つづきは当日に。

☆「The 授業リンク」が乗り越えねばならない教育界の壁が明快に語られていますね。途上国の子どもにとって何が本当に必要なのかを日本の子どもたちといっしょに考えていくコミュニケーション能力が求められているのに、「モノを贈った証拠づくり」のための活動という教師の自己ヒストリーのための教育や授業になっては困ります。

☆「The 授業リンク」の場も同様です。教師のスキルアップや教育関連企業の利益のためだけの場にならないようにしなければならないでしょう。それにはマザーテレサのような目線が必要ですね。池末先生は、すでにそのことを感じていらっしゃる。松田先生もそうです。事務局の先生方もそういう気持ちで一杯です。本物の教師とは、世界の痛みをいつも感じているのだと改めて感じ入り、2回目の「The 授業リンク」の会に参加するのが今から楽しみです。

☆それにしても「適正価格」!この問題は13世紀中世ヨーロッパ以来の大問題です。その時代はすでにグローバルな時代で、都市の基準と世界の基準がマーケットでぶつかりあっていたんですね。「適正」という基準について、どう解決するか。シュンぺーターもここに資本主義の萌芽を見出しているほどです。イノベーションの光と格差の闇のジレンマ問題も同時に生まれることになるのですが・・・。

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教育の挑戦[01] 聖園女学院(1)

Photo聖園女学院でオープンスクール(2007年11月17日)がありました。800人はいる講堂は一杯で立見席ができるほどでした。聖歌隊によるハンドベルの演奏から始まったのですが、参加していた保護者はお嬢さんたちと「すご~い」とか「きれいな音だね」とささやき合っていました。曲目はバッハの「主よ人の望みの喜びよ」で、その澄んだハーモニーは、聖園女学院らしさが伝わっていました。

★そういう雰囲気に包まれた中で、清水ますみ校長先生が、心のこもったおもてなしの言葉をかけられ、教育理念について語り始めました。そしてすぐに講堂内には、実るほど頭を垂れる稲穂かなという尊敬の空気が流れました。参加者の高感度な感性のあらわれでもあります。

★ともかく、校長先生のお話のすぐ前のプログラムであるハンドベルの演奏を受けて、ここにも聖園女学院の教育目標と私たちの願いがあらわれているのですよと語られたのですから、保護者は感動したわけです。そこには、生徒一人ひとりの行いと言葉を見守っているという自然体の校長先生の姿があったからです。

★しかも校長先生のおっしゃる「コンダクターに音色を合わせるハーモニー」は、聖園女学院の先生方と生徒たちがいっしょに考え行動する日常の姿のメタファー(隠喩)です。「大小様々なベルがありますが、演奏をしているときに音を鳴らしていないベルは、何もしていないのではなく、自分の役割をまっとうしているのです。音色を響かせるときも響かせないときも演奏全体の中で互いに協力し合う役割を果たしているのです」という表現も、含蓄あるメタファーです。

★幾重もメタファーが重なっているのですが、わかりやすいし、通り一遍の表現ではないので、聖園女学院が何を大切にしているのか、参加された保護者はいつの間にか集中して耳を傾けることになるのです。

★清水校長先生自らが、まずは聖園女学院が考える21世紀のリーダー像を表現するところから始まったわけですが、驚くべきは、次に話された平野先生も、その後お会いした先生方も、清水校長先生の構えをまるでイコンのように表現されていたのです。アイデンティティを見えないままにしておくのではなくイコンとして分かち合っている秘密は、以前から思っていたのですが、学びの共同体(「主の言葉の学びの共同体」という表現が正しいのかもしれません)にあるのではないでしょうか。このことについて、しばらく思い巡らしたいと思います。 [本間 勇人 Gate of Honma Note

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